【2023年8月版】おすすめTS抜きチューナーの選び方

最新のTS抜きチューナーの選び方やおすすめのチューナーを、タイプやメーカーなど様々な切り口から解説します。TS抜きチューナーの特殊性やドロップについてなど、深い部分も取り上げています。

記事の後のほうで用途別のおすすめのチューナーも紹介しています。難しくてよくわからなかったり、やっぱり迷うようであればそちらも参考にしてみてください。
ただし、「はじめに」だけは目を通しておくことを推奨します。

この記事の初版は2021年3月に執筆されたものです。2023年8月末に、現状のチューナー販売状況に合わせて記載内容を大幅にメンテナンスしています。

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はじめに

TS抜きチューナーの特殊性

既にある程度TS抜きに関して理解されている方が多いとは思いますが、念のため。

TS抜きチューナーは(TS抜きできない)一般的に売られているチューナーとは異なり、買ったらすぐ PC に挿して説明書の通り付属の DVD に入ってるドライバと視聴ソフトのインストーラーを実行すれば見れるようになる、といった類の製品ではありません。

もとより、説明書がありません。インストーラーが入った DVD もありません。ドライバはありますが、各自手動でダウンロードしてきてインストールする必要があります。
メジャーなソフトに関しては私のビルド済みのものを使うことで比較的容易に手に入るようになっているとは思いますが、それでもネットから必要なファイルと情報をかき集めてきて、ini ファイル(設定ファイル)を編集して、適切なフォルダに配置するだけの知識と技量は必要です。

保証は一応ありますが、初期不良があったら交換してくれるかな程度のもので基本サポートはありません。メーカーに問い合わせても「ドライバ導入から先は教えられない」と言われるだけです。
Amazon のレビューでそういう事を知らずに買ってしまう人が文句つけていたりしますが、TS抜きチューナーは「そういう」製品です。

誰だって最初は初心者なのは当たり前でしょう。しかし、あなたがパソコン (PC) 初心者なのなら、TS抜きはやめておいた方が身のためです。zip ファイルや 7z ファイルがどういう種類のファイルなのかや、それらの解凍方法が分からないのであれば確実に向いていません。

私は導入時にある程度 PC の知識を持ち合わせているつもりでしたが、それでも BonDriver などTS抜き特有の用語などの理解にそれなりに時間を要しました。
この記事もそうですが、これからTS抜きを始められる方ができるだけスムーズに環境構築できるよう、数年間頭の中に蓄積された情報をおすそ分けするつもりで書いています。

古いほうが安定している事例

また、TS抜きチューナーは、新しいからといって必ずしも性能が良くなっているとは限りません!!
もし、既に PT3 を持っていて、古くなってきたからと正常に動作するのにも関わらず新しい PLEX あたりのチューナーを買おうとしているのであれば、やめておいた方が無難です。

以前、PLEX に PX-W3PE REV1.3 という機種がありました。
その機種はそれなりに安定していたのですが、マイナーチェンジした後継の PX-W3PE REV2.0 では、チップセットなど基盤の実装が変わった影響で少し不安定になってしまいました(とはいえ、現行機種+公式ドライバよりかは遥かに安定しているらしい)。

その数年後に発売されたさらに後継の PX-W3PE4 では、それ以前のチューナーを ODM (Original Design Manufacturing) で製造していた台湾の ASICEN 社が倒産してしまったため、同じく台湾の Digibest 社に ODM 先が変わりました。
…が、正直 Digibest 社のチューナーの品質は(公式ドライバを使う限りは)あまり良くありません。
まず USB タイプのチューナーと基板設計を共通化した関係で、PCIe 接続なのにも関わらず実際の受信データの転送が内部 USB 接続になっている時点でお察し…。

実際、以前 5ch で「PT3 を売って PX-W3PE4 を買ったけどドロップ多発して安定しないし売った事を後悔している」という趣旨のコメントを見かけました。
スペックとしては PT3 と PX-W3PE4 は内蔵型 W チューナーという点で同じですが、チューナーの品質は PT3 の方が圧倒的に上です( PX-Q3PE4 などの兄弟機種でも同様)。

近年発売された PX-W3PE5 (2020年12月発売)・PX-Q3PE5 (2022年1月発売) では、内部 USB 接続から PCIe 接続に変わっています。…が、実は USB から PCIe に変換するブリッジ IC を使い PCIe 接続にしているだけで内部設計はほとんど変わっておらず、従来機に比べ顕著に安定しているわけではありません。

それどころか PX-W3PE5 の発売当初は Windows 向けの公式ドライバにはなぜかデジタル署名がされておらず、テストモードという特殊なモードにして、Windows 10 の場合はさらにセキュアブートを切らない限り動作すらしないというひどい状況でした。挙句の果てに 5ch では産廃ボードと呼ばれる有様…。

後述しますが、PX-W3PE5 (と PX-Q3PE5) は現在では (Windows 10 でのみ有効な) Microsoft によってデジタル署名されたドライバが配布されているので、Windows 10 であれば前機種である PX-W3PE4 と同等に使えるようになりました。
さらに、後述の非公式ドライバ (px4_drv: Windows と Linux の両方に対応) を使えば、公式ドライバとは比べ物にならないほど安定した稼働が見込めます!! 内蔵カードリーダーが使えないというデメリットこそありますが、それを差し引いても導入する価値は十分にあります。

…長々と述べてしまいましたが、実際にそういう事例がある以上、既に PT3 や PX-W3PE のような安定動作する機種をお持ちであれば、壊れたとかでもない限りはそのまま使い続けてください。
もちろん新たにチューナーを買い足す目的で購入されるのは構いませんが、完動品の PT3 を持っているのにそれを PLEX チューナーに買い換えようとするのは、あまりにも勿体ないです。

私は当初 PX-Q3PE4 で運用していましたが、TS抜きを続けていく中でドロップ(後述)が堪えられなくなってきました。現在は2021年頃に運良く知人から譲って頂いた PT3 を録画用とし、PX-Q3PE4 は視聴用やサブ機として使っています。
(PT3 を譲って頂いてから半年ほど経った頃に WinUSB 版 px4_drv がリリースされたことで、現在は PX-Q3PE4 でも概ねドロップすることなく視聴・録画できています)

ドロップについて

TS抜きにおける安定/不安定とは、ドロップ (Drop) するかしないか、これに尽きます。

Drop は英語でこぼす、落とすという意味があります。TS抜きでは(受信した放送データのパケットを)取りこぼす、というようなニュアンスで使われているようです。

ドロップとはブロックノイズが入ることです。チューナーの品質が低いとドロップしやすくなります。
特に録画中にドロップしてしまうと録画データにブロックノイズが入ってしまい、ドロップした部分のシーンが見苦しい状態になってしまいます。大量にドロップした場合は画面がブロックノイズだらけで見るに堪えない状態になります。

ドロップ(ブロックノイズ)は、アンテナケーブルを通してチューナーに入力されている放送波の MPEG2-TS のデータパケットのうちの一部を、受信時に取りこぼしてしまう事で発生します。
MPEG2-TS は188 バイトごとに区切られたパケットが延々と連なることで動画ファイルとして見れる構造になっていますが、MPEG2-TS を構成するパケットのうちいくつかが欠けると、データが足りなくなって正常に映像を描画できなくなり、その結果データが欠けた部分がブロックノイズ(正確にはベリノイズ)になってしまいます。これがドロップと呼ばれる現象です。

なお、映像データではなく音声データが欠けることもあります。この場合、音が消えたり変な音になったりします。MPEG2-TS には映像や音声以外にも EPG 番組表などの様々なメタデータが入っており、それらがドロップすることもありますが、基本映像と音声がドロップしていなければ実害はありません。
もし映像や音声がドロップしてしまった場合でも、真っ暗や無音のシーンなど良いタイミングでドロップしてくれれば、実用上問題ないケースもあります。

また、普通のテレビをお持ちの方は、台風が来ている中 BS をつけると、ブロックノイズで見るに堪えなかったという経験があるかもしれません。
特に BS/CS の場合は人工衛星から電波を受信しているという関係上、悪天候だとアンテナで受信する時点で電波が厚い雲に遮られ、受信感度が極端に弱くなったりする事によってドロップすることもあります。これに関してはどうしようもありません…。

チューナーの品質

一般の BD レコーダー等ではドロップはほとんど発生しませんが、それは搭載されているチューナーの品質が高いからです。著名な家電メーカーが威信をかけて作っているだけはあります。
これに対して、TS抜きチューナーはそのグレーさもあって基本的に無保証でサポートや説明書すらもなく、チューナーの品質もそこまで良くありません。少なくとも品質は保証されておらず、チューナーだけ売ってやるから後は煮るなり焼くなりしろ、というスタンスです。

それでも、アースソフトの PT3 という機種はチューナーの品質が非常に良く(=ほとんどドロップしない)、そのため今でも根強い人気があります。発売から11年余りが経過しながら未だに多くの個体が完動状態にあり、耐久性も高いです。
しかし「耐久性が高い」という事は、それだけ買い換える需要がないということでもあります。TS抜きはその特殊な性質上一定以上の PC スキルが要求されるうえ、大っぴらに量販店で販売できるものでもなく、需要も全体で見ると限られます。

そのため『PT3 は 2年間以上、販売店にて税込1万円未満で販売されていました。 2015年秋以降の販売は低調で、ほぼ需要は満たしたと考えております』と、アースソフトは PT3 の生産を終了してしまいました。後継機の販売予定もありません。
お布施として DTV 民が定期的に PT3 を買っていればこういう事にはならなかったのかな、という思いはありますが、今となっては後の祭りです。

現在流通しているTS抜きチューナーはおもに台湾の Digibest 製のもので、設計開発も Digibest が行っています(ODM)。販売こそ PLEX が行っていますが、実際はドライバ開発を含め Digibest に丸投げしたものを独自でパッケージングして売っているだけのようです。e-better も同様。
その点アースソフトは設計開発を社長の長田恒彰さん自らが行っており、生産も日本国内で行われていたため良い品質を維持できていたように思います。

録画コレクター

多少ブロックノイズが入っていても問題ない方であれば、ドロップを気にする必要はないでしょう。
しかし、多くの DTVer はブロックノイズが入る事を嫌います。私もそうですが、TS抜きをやっている人は結果的に録画コレクターになりやすく、コレクションである録画データが”欠けている”事が許せないからです。
単純にブロックノイズは醜いですし、デジタルデータとはいえコレクションなのだから、可能な限りコンプリートした完璧な状態で保存したいという心理が働きます。

録画は後で見るためのもので、見終わったら消すタイプの方は、特に気にしなくても大丈夫です。
逆に、(私のように)録画はコレクションで、見終わったとしても HDD の容量の許す限り残しておきたいタイプや、完璧主義だったり細かい事が気になってしまうタイプの方は、金を掛けてでもドロップしにくいチューナーを買った方が、後々の後悔がありません。

もちろんある程度のドロップを許容できるのであれば、後者であっても PLEX チューナーを買うのも全然ありだと思います。非公式ドライバ (px4_drv) を使えば Windows でも Linux でも比べ物にならないほど安定しますし、最終的にはリスクとコスパを天秤にかけて、あなたがどう感じるか次第です。

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TS抜きチューナーの選び方

タイプで選ぶ

  • マザーボードの PCIe (PCI Express) 端子に接続して使う『内蔵型』
  • USB 端子に接続して使う『外付け型』
  • 外付け型の中でも、サイズがコンパクトでドングルになっている『ドングル型』

の 3 つに分類できます。

内蔵型

メーカーを問わず、比較的製品が多めです。アースソフトなど、内蔵型の機種しか発売していないメーカーもあります。PCIe 接続のため、USB 接続タイプより安定しているとされます。
いわゆる緑色のボードのやつです。何かしらデスクトップ PC にグラボつけてる人はおなじみだと思います。

ただし、内蔵型の特性上、デスクトップ PC の PCI Express 端子にボードを差して使うため、ノート PC や最近話題のミニ PC 、ラズパイ (Raspberry Pi) では使えません。
厳密には 内蔵型にアダプターをつけて外付け化する ような猛者もいるため一応使えなくもないのですが、当然ながら一切保証されていない使い方になるため、かなりリスキーです。

また、PX-W3PE4 などの内部 USB 接続を必要とするチューナーでは、メーカー製デスクトップ PC などでは内部 USB 端子が省略されていることがあるため、一工夫必要になるケースもあるようです。
購入する前にお使いの PC に内部 USB 端子があるかどうか確認しておきましょう。

(PC を自作されている方なら理解されていると思いますが)内部 USB 端子とは、一般的には筐体前面の USB 端子モジュールと接続したりなど、各種 PC アクセサリーとマザーボードを接続するためにマザーボードに直付けされている USB 規格の端子です。通常の USB 端子と異なりほとんど抜き差しする事がないため、より接続性の高い(取り外しにくい)ピンヘッダの形状になっています。USB ピンヘッダとも言われるらしいです。
別途内部 USB 接続が必要なチューナーの内部 USB 端子は USB 2.0 ピンヘッダ(9ピン)です。USB 3.0 以降は形状が異なるので迷わないとは思いますが…。

このほか、PLEX / e-better (Digibest) 製チューナーには、B-CAS カードを挿すためのカードリーダーが内蔵されています。
ただカードとの接触が悪く、そのまま挿しっぱなしにしていただけでたまに認識しなくなる(もう一度差し込むと直ったりする)ことがあります。加えて、Linux 環境や非公式ドライバ (px4_drv) では使えません。

カードリーダーの品質はおまけ程度なので、基本当てにしないことをおすすめします。外付けカードリーダーの方がずっと安定していますし、当然 SoftCas なら物理的な接触不良のトラブルから解放されます。

外付け型

USB 接続のため、ノート PC やミニ PC、ラズパイでも使えるのが特徴です。
デスクトップ PC でも、PCIe スロットが空いていない場合は自動的に外付け型になります。

PLEX (Digibest) 製の現行チューナーは内蔵型も外付け型も内部的には同じ USB 接続なので、内蔵でも外付けでも(外付けだと USB 端子が外れるリスクがある事以外は)さほど変わらないと思います。

PX-W3PE5 / PX-Q3PE5 は名目上 PCIe 接続ですが、実際は PCIe-USB ブリッジ IC が入っているだけで、OS からは引き続き USB デバイスとして認識されます。USB の方が汎用性があり、設計も外付け型と共通化できて楽だからなのでしょう。
一部で「USB デバイスだから安定しない」と言われていますが(PX-W3PE5/PX-Q3PE5 もこうしたネットの声に応じて作られたと思われる)、px4_drv で安定性を大幅に改善できている辺り、公式ドライバの品質と大元の設計の悪さによるものだと思われます。

録画専用 PC を組む場合、デスクトップ PC では必然的に場所も電力も費用もかかります。その点安価なミニ PC + 外付け HDD + USB 接続チューナーの組み合わせであれば、比較的安価で低消費電力な録画 PC を構築できます。
外付け型のため PCIe 接続よりも心許ない点がデメリットと言えなくもないですが、USB の接触さえしっかりしておけば基本問題ないでしょう。
実際に私は PX-W3U4×2 + Ubuntu 20.04 + EDCB-Wine (EDCB を Linux で動かす自作の代物) の構成でアニメ全録サーバーを運用していますが、ほとんどドロップすることなく動かせています。

現在販売中の外付け型チューナーは PLEX 製チューナーのみです。PLEX 製の内蔵型チューナーと同様にカードリーダーが内蔵されていますが、これもあまり安定しないという噂です。
これも内蔵型同様に Linux や非公式ドライバ (px4_drv) では使えないため、基本当てにしてはいけません。

また、PX-W3U4 などの白くて大きめのチューナーにはリモコンが付属しています。
視聴ソフトである TVTest に専用のプラグインを入れることで動作しますが、PC 側で操作できてしまうこともあり、ほとんど使っている人を見かけません。また、Linux 環境や非公式ドライバでは使えません。
現状ほぼ誰も使っていないのだから、省略してその分コストダウンすべきだと思うのですが…。

ドングル型

とてもコンパクトで比較的安価なのが特徴です。チューナー数は PX-Q1UD を除いて基本1つだけですが、ドングル型なので USB ポートとアンテナケーブルが尽きるまで増設できます。

コンパクトなだけに、完璧な安定性を求める方はやめておいた方が無難です。とにかく安価で手に入れたい方、とりあえずお手頃にTS抜きを始めてみたい方におすすめ。TS抜きガチ勢のみなさんは内蔵型の方がいいと思います(言うまでもないでしょうけど)。

ラズパイ + Mirakurun + EPGStation で録画サーバーを構築される方がよく使っている印象です。電力消費も少なく、場所を取らないのがメリット。
ドングル型のため、一部の機種は ODM 先のじつ製造メーカーが Digibest 以外の別メーカー(機種ごとに異なる)になっています。ODM 先のオリジナルモデルが販売されているなんて事例も(後述)。

PX-Q1UD を除いてチューナー数が1つしかないため、バンバン録画したい方には向いていません。
ラズパイで録画サーバーを構築したい場合でも、たくさん録画したいのであれば PX-Q3U4 などの外付け型チューナーを購入されることをおすすめします。

ドングル型の中で BS/CS が視聴可能なのは DTV02(A)-1T1S-U のみです(地デジも受信できます)。
正確には DTV02(A)-1T1S-U はドングル型ではなく USB ケーブルで接続するタイプですが、本体の寸法がわずか 8cm×8cm と手のひらサイズで他の外付け型チューナーとは毛色が異なるため、ドングル型として含めています。

以前は PX-BCUD という BS/CS のみ受信できるドングル型チューナーがあったのですが、PLEX 公式いわく 使っていたチップが販売終了となったため、やむを得ず生産終了となったとのこと。メルカリやヤフオクで中古を漁るくらいしかありません。

ドングル型チューナーとしては、近年 PLEX から PX-S1URPX-M1UR の2機種が発売されました。しかしながら、

  • ドングル型チューナー最大のメリットである安さを度外視した高額な価格設定
  • PX-S1UR であれば同一スペックの PX-S1UD / MyGica VT20 、PX-M1UR であれば DTV02A-1T1S-U の方が全然価格が安い
  • 内蔵カードリーダーが Mini B-CAS カードにしか対応していない (そもそもドングル型で強引にカードリーダーがあっても使わないし、Linux ではそもそも使えない)
  • 上記の理由から発売から1年以上経過するにも関わらずネット上に動作報告がほとんどなく、よって買ったとしても radi-sh 版 BonDriver で正常動作するか確証がない

と、もはや買うと損するレベルの製品で、動作するかも怪しい(おそらく動くとは思うが、radi-sh 版 BonDriver の書式を理解して自力で設定ファイル直書きできる人でないと難しい)ため、あえてこの記事では「無かったもの」として紹介しています。
PLEX さん、どうしてそんな微塵も需要がないものを高額な開発費を掛けて作ってしまったんだ… (内蔵カードリーダーはどうせ非公式ドライバでは使えないんだから、そこに拘らずひたすら価格を下げる努力をしたり PX-MLT5U を出して欲しかった) 。

メーカーで選ぶ

有名なのはアースソフトと PLEX ですが、他にも何社かあります。2010年前後には乱立していたものの、前述した ODM 先メーカーの倒産や市場の縮小もあり、現在の状況に落ち着いています。
ネットの情報が少ないと中々苦労すると思うので、環境構築に自信がなければアースソフトか PLEX の機種をおすすめします。

アースソフト

言わずと知れた「本家」TS抜きチューナーメーカーです。
改造なしでまともに使えるチューナーを発売したのもアースソフトが最初で(正確には Friio が最初ですが、台湾からの個人輸入が必要なため敷居が高かった)、TS抜きブームの火付け役のメーカーです。

PT1・PT2・PT3 の 3 つのチューナーが発売されましたが、PT1 は流通量が少なく比較的時間を明けずに PT2 が出たこともあって、現在流通しているのは PT2 と PT3 がほとんどです。

いずれも生産終了済みですが、他チューナーを寄せ付けないその高い安定性から、今でも根強い人気があります。PT3 は Amazon・ヤフオク・メルカリで中古ですら定価の 2 倍以上で取引されるなど、プレミア価格になってしまっています。

一方の PT2 は PCI 接続(Express がつかない方)のため、PC の買い替えで新しいマザーボードに PCI 端子がないなどの理由で手放す人が増えており、中古で ¥4,000 前後 (2023年8月末時点) で取引されています。ただし、発売から13年以上もの歳月が経っておりいつ自然故障してもおかしくないこと、PCI Express ではなく PCI (無印) 接続であることに注意が必要です。

PLEX

内蔵型・外付け型・ドングル型の 3 タイプすべてのチューナーを取り扱っており、機種も多種多様に取り扱っています。アースソフトの PT シリーズが生産を終了したため、事実上TS抜きチューナーの最大手です。

公式で配布されているドライバではチャンネル切り替えが遅い上にドロップが多発するなど問題が多く、おそらくチューナーハード自体の設計品質もそこまで高くありません。
とはいえ非公式ドライバ (px4_drv) を使うことで、Windows や Linux でも安定動作が見込めます。

PLEX 自体はチューナーを製造はおろか設計すらしておらず、実際の設計開発は台湾 Digibest を始めとした海外メーカーに委託しています (ODM) 。PLEX 自体にチューナーハードウェアの設計開発を行う技術はありません。これは後述の e-better も同様です。
ドライバなども ODM 先メーカーから提供を受けているため、実際には商品を企画して、ODM 先から届いた商品をパッケージングして売っているだけ、というのが実情のようです。

余談:PX-W3PE4 の発売以前はそれなりに安定するチューナー(台湾 ASICEN 社製の ODM )を発売していたのですが、残念ながら ASICEN 社は 2015年7月頃に倒産してしまったようです。少なくとも、2015年7月頃を境に 公式サイト が閉鎖されています。
ISDB チューナーチップ一筋のメーカーだったようで、需要の低下を考えるとやむを得ない気はします。

これにより、PX-W3U3 V2.0 が ASICEN 製最後のチューナーとなり、2017 年に発売された PX-W3PE4 以降のチューナーは、同じく台湾の Digibest 社の ODM 製品となりました。
これらの Digibest 製 PLEX チューナーは、型番に 4 とつくことから PX4系 、または使われているチップの型番から IT35系 と総称される事があります。radi-sh 版 BonDriver_BDABDASpecial-IT35 がまさにそれです。

誤解される方が大変多いですが、ASICEN 製チューナーと Digibest 製チューナーの間に互換性は一切ありません。IC チップの構成や基板設計から何まですべて別物です。
ASICEN 製チューナーでは可能だった、レジストリでの感度調整機能は Digibest 製チューナーにはありません。また、非公式ドライバ (px4_drv) は ASICEN 製チューナーには対応していません。

余談ですが、数年前一時期話題になった MiyouTuner(近年話題のひろゆき主導でクラウドファンディングしてたやつ)は、Digibest の ODM の予定だったようです。DTV02-5T-P に PX-W3PE4 とさらに地デジチューナー×1をくっつけた構成になっていました。
PX-W3PE5 のドライバになぜか同梱されているドライバからして、Digibest 側での型番は ISDB6012 だと思われます。DTV02-5T-P の型番は ISDBT6013 、DTV02A-4TS-P の型番が ISDB6014 です。
ドライバまでできていたという事はハード自体は完成していたんでしょうし、日の目を見ることがなかったのがとても残念です。

PLEX から発売されている BS / CS 対応のチューナーは、すべて BS / CS パラボラアンテナへの LNB 給電が可能です。
ただ、どうやら公式としては LNB 給電機能は「存在しない」扱いだそうで、非公式の機能ということになります(そもそも TS 抜きチューナーの時点で公式も非公式もないっちゃそう)。

アンテナへの安定した電力供給が必要であれば、チューナーの LNB 給電機能に頼らず、別途電源供給用のアダプターなどを買うことをおすすめします。

チューナーからのアンテナ給電機能は一歩間違えるとチューナーを壊しかねません。5ch でも、LNB 電源供給をオンにしたままアンテナ線(同軸ケーブル)を抜き差ししてしまったことで、15V の電源が逆流してチューナーが壊れてしまったケースが複数報告されています [1]https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/avi/1648542476/267-288

もし LNB 給電機能を使うのであれば、LNB 給電がされていない状態(パソコンの電源ごと落ちているのが理想)でアンテナ線を接続し、LNB 給電をオンにしたあとはアンテナ線を抜き差ししないことが望ましいです。
また、分配器に逆流防止ダイオードが入っていないことで、他チューナーの LNB 電源が逆流して壊れてしまったケースもあるようです。2枚差しされている方は注意が必要かもしれません。

また、BS / CS をマンションの共同アンテナや共聴設備から受信している場合は、LNB 給電は不要です。光回線から受信するフレッツ・テレビの場合も同様です。私の住んでいるマンションでは BS / CS を共同アンテナで受信しているため、LNB 電源は常にオフにしています。

MLT 系チューナー

また、PX-MLT5PE などの MLT 系のチューナーを取り扱っています。

通常のチューナーは地デジ (ISDB-T) と BS/CS (ISDB-S) を受信するデバイスが別れているため、「地デジ×4・BS/CS×4」のようなスペックになりがちです。BS/CS の衛星チューナーが余っているからといって、地上波に多くチューナーを割り当てることはできません。

一方、MLT 系のチューナーであれば「地デジ・BS/CS×5」のようなスペックになり、BS/CS を使わないときは地デジへ、地デジを使わないときは BS/CS へ、といったように、地デジや BS/CS を区別せず柔軟に使うことができます。

BS/CS を 4 チャンネルも同時で使うことはほとんどないと思うので、PX-MLT5PE や e-better の DTV02A-4TS-P (後述) は、その点で 地デジ×4・BS/CS×4 の PX-Q3PE4・PX-Q3PE5 よりコスパが高いです。安定性は PX-Q3PE4 より劣るとされてきましたが、非公式ドライバを使えば問題ないでしょう。

非公式ドライバ (px4_drv) について

PLEX や e-better の Digibest 製チューナーはドライバ、ハードウェアともに品質の高いものではないので、以前はすっかり安定しないチューナーを売っている事で悪名高いメーカーでした。5ch などではドロップしまくる事を皮肉って「プレ糞」と呼ばれる始末…。

ただし、nns779 さん開発の非公式ドライバ、px4_drv を導入すれば、公式ドライバとは比べ物にならないほど安定して動作するようになります!!
PT3 ほどとまではいきませんが、長年 DTVer を大いに悩ませてきたドロップがほとんど起きなくなります。さらに、チューナー起動やチャンネル切り替えが PT3 と同等かそれ以上に速くなるなど、良いことづくめです。

もともと PLEX チューナーの公式 Linux[2]Linux: おもに Web サーバーなどで使われている、無料の OS のこと。Linux にも Ubuntu や Debian など、いろいろ種類がある。 ドライバが、カーネル が固定でソースも公開されていない[3]カーネルがアップデートできないのはつらいし、環境構築もかなり面倒になることから開発されていたものです。
現在では公式ドライバよりも品質の高い、極めて安定したドライバになっています。非公式のドライバより性能が悪い公式ドライバってなんなん…。
デバイスドライバのプログラミングは専門的な領域でさっぱり分かりませんが、ハードウェア性能の悪さをソフトウェア的に改善し、本来のチューナーの性能をフルに活かし切れているのだと思います。

こうした経緯から、以前は Linux 版の px4_drv しかありませんでした。
それでもドロップさせないためにわざわざ Linux で録画サーバーを構築する方がいるほど人気は高く、Windows 版の px4_drv がかねてから切望されてきました。

そして2021年7月、ついに Windows (WinUSB) 版の px4_drv が公開されました…!!!
リリース当初はいくつか不具合もありましたが、現在は極めて安定しています。 Windows 版も、Linux 版と同等の高い安定性と、高速なチューナー起動・チャンネル切り替え性能を誇ります。素晴らしすぎる…。

本家 GitHub のドキュメントには Linux 版のことしか書かれていませんが、Windows (WinUSB) 版もちゃんと公開されています(ソースコードはリポジトリ内の winusb フォルダにあります)。
ただ nns779 さんが2021年9月から消息を絶っているので、今後の更新はなさそうです。

現在の Windows (WinUSB) 版 px4_drv には1つだけ、チューナー不足の際にダイヤログ (メッセージボックス) が表示される という問題があります。これはエラーを知る上では有用ですが、ダイヤログが閉じられるまでチューナーの起動処理は終わらないため、タイムアウトになるまで TVTest などの BonDriver を使うソフトがフリーズしてしまいます。

ただ、作者さんが消息を絶っている以上、今後 px4_drv が更新される見通しはありません。
そこで、フォークしてダイヤログを既定で表示しないようにした px4_drv を GitHub で公開しています。この変更を適用した px4_drv のビルド済みアーカイブを こちら にて配布していますので、よろしければご利用ください。

注意点として、px4_drv は Windows 版・Linux 版ともに内蔵カードリーダーに対応していません
ただし、以前も触れたように内蔵カードリーダーの品質はおまけ程度で、もともと接触が悪かったりとあまり安定しません。
私の周囲でもほとんどの方が外付けカードリーダーを使っていますし、もし内蔵カードリーダーを使っているのであれば、この機会に外付けカードリーダーを買うことをおすすめします。カードリーダー代が惜しければ SoftCas を使う手もあります。

PX-W3U4・PX-Q3U4 に同梱のリモコンにも対応していませんが、そもそも私自身使っている人を一切見たことがないので、とくに気にしなくて大丈夫でしょう。PC ならキーボードがリモコン代わりになります(TVTest には数字キーでチャンネルを切り替える機能があります)。

このほか、Windows 版では、px4_drv 専用の BonDriver が必要になります。
PX-MLT5PE・PX-MLT8PE なら BonDriver_PX-MLT を、それ以外の機種では BonDriver_PX4 を使います。公式ドライバで使えた radi-sh 版 BonDriver_BDA は使えず、BonDriver の置き換えが必要になります。
確かに面倒ですが、それをやるだけの価値は十分にあると断言できます。私も実際に使っていますが、ずっと悩まされてきたドロップがほとんどなくなりとても満足です。

「プレ糞」とまで言われた手元の品質の悪いチューナーが、ドライバと BonDriver の更新だけで圧倒的な性能向上を遂げるというのは、PLEX チューナーの1ユーザーとして感慨深いものがあります。nns779 さんに圧倒的感謝…🙏🙏🙏

e-better

宇勝株式会社 という他にカー用品とかを扱っているらしい謎の会社が開設している、ネットショッピングサイト。e-better は企業名ではなく、宇勝株式会社のブランド名です。

チューナーはすべて PLEX 同様 Digibest の ODM です。e-better だからといって動作が安定するというものではありません。PLEX より知名度がないため情報はあまりありませんが、PLEX が取り扱っていないレパートリーの機種を隙間産業的に販売しています。

DTV02A-4TS-P は実質 PX-MLT4PE と言っていいくらいの構成で、本当に PX-MLT5PE から一つチューナーを削減しただけの機種です。目新しさはありませんが、その分 PX-MLT5PE より数千円程度安いので、情報が少ないことに目を瞑ればこっちの方がお得です。

敢えて e-better から買うものとしたら、ドングル型で地上波・BS・CS の3波対応の DTV02(A)-1T1S-U くらいでしょうか。DTV02(A)-1T-U は PX-S1UD とスペック的に変わらないうえ価格も PX-S1UD の互換品の MyGica S270/VT20 の方が安く、さらにチューナーの構成が特殊なため、敢えて買う意義は薄いです。

数年前までは DTV02-5T-P という地デジだけ 5 チューナーという珍しい内蔵型チューナーもあったのですが、すでに店頭在庫はなく入手困難になっています。

公式サイトからでも買えますが、Amazon から買う方が早くて若干安いです。
(もともとサポートなんてあってないようなものですが)サポートは期待しないほうが良いです。

Digital Devices

ドイツの TV チューナー専門のメーカーです。
PLEX や e-better とは異なり、基盤設計から製造まで自社で一貫して行っています。

ほとんどのチューナーは DVB というヨーロッパ諸国向けの放送規格向けのものです。
しかし、DD Max M4 という機種が日本の地デジ (ISDB-T)・BS/CS (ISDB-S) 、さらに J:COM などのケーブルテレビ向けの ISDB-C (DVB-C) 規格、スカパー!プレミアムサービス (CS124/128°) 向けの DVB-S2 すべてに対応しており、BS4K を除いた日本国内で受信できるすべての放送規格に対応していることで、2019年頃に一部で話題になりました。

日本国内から買う場合は基本個人輸入の形になりますが、手続きとしては関税がかかる程度でさほど煩わしいものではないようです。それよりもただでさえ高め(スペックを考えたら妥当ではある)なのに消費税+関税+送料がのしかかってくるので、それなりのお値段は覚悟する必要があります。
2023年からは GOPPA という会社が Digital Devices の日本総代理店 を始めたことで、以前よりもかなり購入しやすくなりました。

TBS

中国深センにある TBS Technologies International Ltd. のこと。TBS(東京放送)とは異なります。
Digibest も倒産した ASICEN もチップ製造元の ITE Tech もすべて台湾企業、PX-S1UD などが使っている SMS2270 の製造元の Siano はイスラエルの会社なので、地味にTS抜きチューナー関連企業で中国企業なのはこの TBS と、あとは MyGica (Geniatech) くらいです。

スカパー!プレミアムサービス (DVB-S2) 対応サテライトチューナーや、J:COM などの CATV のうちトランスモジュレーション(トラモジ)方式向けの DVB-C (ISDB-C) 対応チューナーを販売していることで一部の界隈では有名なメーカーです。なぜか赤い基盤が特徴。

チューナーの品質は Digibest より若干いい程度で、ドロップする事には変わりありません。それでも DVB-C (ISDB-C) や DVB-S2 に対応したチューナーはあまりないので、ある程度使われています。
一応地デジ (ISDB-T) を受信可能な機種もありますが、BS/CS (ISDB-S) が受信できる機種は後述の PT4K を除くとありません。情報が少ない上、さほど安定するわけでもないので地デジの受信目的で買うのはおすすめしません。

スカパー!プレミアムサービスや CATV の受信といった、特殊な用途でのみ使われているという印象です。
スカパー!プレミアムサービスや CATV のTS抜きはきわめて難易度が高く情報も少ないため、TS抜き初心者~中級者が手を出すべきではありません。私も環境がないため、このあたりの情報には疎いです。

史上初めて、BS4K の放送規格の ISDB-S3 に対応したチューナー、PT4K (TBS6812) を発売したことで一時期話題になりました。ただし、BS4K では ACAS という新しい暗号化チップが利用されており解析も進んでいないため、現時点ではスクランブルのかかっていない QVC やショップチャンネルくらいしか見れません。BS4K は TVTest も使えないので、実用的なチューナーではありません。

もともと前述の通りスカパー!プレミアムサービスや CATV の受信など環境構築にトライされる方が少ないジャンルのチューナーが多いこともあり、ネット上の情報もかなり少ないです。
正直 DD Max M4 ですべてカバーできてしまうので、敢えて TBS チューナーを買う理由はない気もします。

識者いわく、パラボラアンテナへの LNB 給電が DD Max M4 だと電圧変換が必要だが TBS の一部機種ではそのまま給電できること、一時期 PLEX が TBS チューナーの ODM をやっていた影響で、スカパー!プレミアムサービスや CATV 関連の情報は TBS チューナーの方が多いといったメリットもあるようです。

マイナーなチューナーしかない上に私が CATV(BS のトランスモジュレーション方式での再送信)や SPHD を受信できる環境を持っていないため、この記事では TBS のチューナーは紹介していません。
CATV(トラモジ再送信受信)用チューナーは こちら のサイトにて詳しくまとめられています。

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TS抜きチューナーの一覧

ここからが本題です。

注意点として、私はすべてのチューナーを実際に使ってみているわけではありません。むしろ少ないくらい…
また、裏取りするなど正しい情報を載せるよう心がけてはいますが、5ch や Twitter 、他の方が執筆されているブログなど様々なソースから収集した情報を元に執筆しているため、実際の状態と異なる場合があるかもしれません。もし誤っている箇所があればコメント頂ければ修正いたします。
そのあたりをご了承の上、チューナー選びの参考にしていただければと思います。

TS抜きチューナー備忘録 さんの方では実際に買われてレビューされているので、そちらも参考にしてみてください(ただし、BonDriver 関連の記述に関してはファイルを適切なファイル名で配置するだけの radi-sh 版の方が遥かに諸々の取り回しが楽なので、個人的には参考にしない方が良いと思います)。

また、Linux 環境で構築される場合は対応チューナーにも注意する必要があります。一部チューナーでは Windows でしか使えなかったり、使えても導入に必要な情報が少ない機種があるためです。

TS抜きチューナーは無名だったり過去発売されていた機種も含めるとそこそこの数あるため、この記事ではすでに生産終了となっていて入手困難な機種は(PT3・PT2 を除いて)省略します。
このほか、動作報告が少ないマイナーな機種や物理的な改造が必要になる機種、CATV や SPHD(スカパー!プレミアムサービス)のみ受信できるチューナーに関しても省略しています。過去すべてのTS抜きできるチューナーを網羅したものではないことをあらかじめご了承ください。

チューナーの相場は日々変動するため、記事に記載されている価格は古くなっていることがあります。
最新の価格は Amazon や各ショップを確認してください。

チューナー比較表

タイプ別に、チューナー数の少ない機種から順に並べた比較表です。
同じチューナー数の機種は、概ね発売が新しい機種から順に並べています。

同じスペックのチューナーでも、一方が他の同じスペックのチューナーよりも安定性が高かったり、非公式ドライバの対応状況が異なったりなど、機種それぞれに特性があります。
必ず、チューナー個別の解説を一読してから購入されることをおすすめします。

基本的に TS 抜きチューナーには B-CAS カードは同梱されていません。別途 B-CAS 社から ¥2,160 で『再発行』してもらうか、SoftCas なりを使うことになります。
むしろ、TS 抜きチューナーの中では B-CAS 付きの機種自体がかなりイレギュラーです。

内蔵型

機種チューナー数接続タイプアンテナ端子数内蔵カードリーダー搭載B-CAS カード付属
PX-W3PE5
地デジ × 2・BS/CS × 2PCI Express x12系統
PX-W3PE4地デジ × 2・BS/CS × 2PCI Express x1
内部 USB 接続
2系統
PT3地デジ × 2・BS/CS × 2PCI Express x12系統
PT2地デジ × 2・BS/CS × 2PCI4系統
PX-Q3PE5地デジ × 4・BS/CS × 4PCI Express x12系統
PX-Q3PE4地デジ × 4・BS/CS × 4PCI Express x1
内部 USB 接続
2系統
DTV03A-4TS-P地デジ・BS/CS × 4
(マルチチューナー)
PCI Express x1
内部 USB 接続
2系統
DTV02A-4TS-P地デジ・BS/CS × 4
(マルチチューナー)
PCI Express x1
+ 内部 USB 接続
2系統
PX-MLT5PE地デジ・BS/CS × 5
(マルチチューナー)
PCI Express x1
内部 USB 接続
2系統
PX-MLT8PE地デジ・BS/CS × 8
(マルチチューナー)
PCI Express x1
内部 USB 接続
2系統
DD Max M4地デジ・BS/CS・
CATV・SPHD × 4
(マルチチューナー)
PCI Express x1地デジ/CATV: 1系統
それ以外: 4系統

外付け型

機種チューナー数接続タイプアンテナ端子数内蔵カードリーダー搭載B-CAS カード付属
PX-W3U4地デジ × 2・BS/CS × 2外部 USB 2.0 接続2系統
PX-Q3U4地デジ × 4・BS/CS × 4外部 USB 2.0 接続2系統

ドングル型

機種チューナー数接続タイプアンテナ端子数内蔵カードリーダー搭載B-CAS カード付属
MyGica S270 /
MyGica VT20
地デジ × 1外部 USB 2.0 接続(ドングル)1系統
DTV02A-1T-U地デジ × 1外部 USB 2.0 接続(ドングル)1系統
PX-S1UD V2.0地デジ × 1外部 USB 2.0 接続(ドングル)1系統
PX-Q1UD地デジ × 4外部 USB 2.0 接続1系統
DTV03A-1T1S-U地デジ・BS/CS × 1
(マルチチューナー)
外部 USB 2.0 接続1系統
DTV02A-1T1S-U地デジ・BS/CS × 1
(マルチチューナー)
外部 USB 2.0 接続1系統

凡例

機種ごとに、

  • タイプ(内蔵型・外付け型・ドングル型のいずれか)
  • チューナー(同時視聴録画可能)数
  • 接続タイプ
  • アンテナ端子数
  • 内蔵カードリーダー

のスペックを掲載しています。

この記事での W チューナーは、地デジ×2・BS/CS×2 のチューナーの事を指します。
また、Q チューナーは、地デジ×4・BS/CS×4 のチューナーの事を指します。
マルチチューナーは、地デジと BS/CS を分け隔てなく使えるチューナーの事を指します。
マルチチューナーのチューナー数は機種によります。

チューナー数

日本のテレビ放送では、地上波で使われる放送方式 (ISDB-T) と BS・110度 CS の衛星放送で使われる放送方式 (ISDB-S) が異なっています。
そのため、チューナーの物理デバイスも地デジと BS/CS で分けられていることが多いです。

たとえば PLEX の PX-Q3PE4 は「8ch も同時に視聴・録画できる」と謳われています。
しかし、実際は 地デジ×4・BS/CS×4 チューナーになっているため、BS/CS のチューナーを使っていないからといって、地デジを 8 チャンネル同時録画する、といった事はできません。

PX-Q3PE4 の場合、地デジのみ受信できるチューナーが4チューナー、BS/CS のみ受信できるチューナーが4チューナー、という構成になっています。

また、あなたのテレビの視聴スタイルが「見たいものは全て録画して後で見る」というスタイルであれば問題になることは少ないのですが、「録画もするけどリアルタイムでも見たい」という場合はチューナー数の多い機種を選んだ方が良いでしょう。基本的にはそれぞれ視聴に 1 チューナー、録画に 1 チューナー使う事になるためです。

PT3 や PX-W3PE4 のような W チューナーの場合は、録画した上でリアルタイムで見るだけで地デジ、ないしは BS/CS のチューナー数を使い切ってしまいます。W録したいけど片方の番組だけリアタイしたい時は 3 チューナー必要になり、W チューナーの場合は足りなくなってしまいます。

先程「基本的には」と書いた理由は、たとえば EDCB(予約録画ソフト)には録画中のストリームを TVTest(テレビ視聴ソフト)に送信する機能があり、その機能を使えば 1 チューナーで視聴も録画も同時に行う事ができるためです。
これ以外にも、チューナー共有ソフト(BonDriverProxyExSpinel)やチューナー管理ソフト(Mirakurun)を使うことで、1チューナーだけでも視聴と録画を両方行えるようにできるでしょう。

…が、いずれも初心者の方には少し難しい手順になります。私は最初から PX-Q3PE4 使いなため試したことがありませんし、設定を誤るとチューナー不足で録画に失敗する可能性もあります。
チューナー数は多いに越したことはないので、そのあたりが不安であれば Q チューナーかマルチチューナーにするとよいでしょう。

私もそうですが、TS抜きを始めると結構色々な番組を録画したくなるものです。後で W チューナーを買い足すくらいなら、もう少しチューナー数の多いチューナーの方が良いと思います。

マルチチューナー

マルチチューナーはちょっと特殊で、地上波と BS・110度CS の衛星放送のチューナーが同じデバイスになっています。そのため、地デジと BS/CS の境を意識することなく、チューナー数分同時に視聴録画ができます。

マルチチューナーはその特殊性もあって、機種自体が少なめです。具体的には、PX-MLT5PE・PX-MLT8PE・DTV02A-4TS-P・DD Max M4 くらいで、いずれも内蔵型のみになります。

DTV02(A)-1T1S-U も実はマルチチューナーなのですが、チューナー数が1つだけなのでマルチチューナーとして含めるべきかは微妙…。

ほとんどの方は BS を 4 チャンネル同時視聴録画などしないでしょうから、たまにしか BS は録画しないけど、地デジは同時にたくさん録画したい、という方には最適です。
ほぼ地デジしか見ないのであれば、PX-Q3PE4 を買うより PX-MLT5PE の方が安くつきます。

アンテナ端子数

ほとんどのチューナーは地デジと衛星 (BS/CS) で2系統です。
ただし、TS抜き黎明期のチューナーである PT2 は4系統(チューナーデバイスごとにアンテナ端子が存在する)、DD Max M4 は特殊なチューナーであることから5系統(地デジ/CATV×1・BS/CS/SPHD×4)だったりと、中にはアンテナ端子数が多いチューナーもあります。

アンテナ端子の数が多いと、アンテナケーブルの取り回しが煩雑になります。分配器なども必要になるため、その分の購入費用もかさみます。

このうち、DD Max M4 に関しては BS/CS110° であれば 1系統でどうにかする方法 もあるにはあるらしいです。ただしアンテナへの給電ができなくなるので、マンションにお住まいで BS/CS を共同受信しているか、別途アンテナへの給電設備をお持ちの方に限られます。

内蔵カードリーダー

チューナー自体に B-CAS 挿入用のカードリーダーを内蔵しているかどうかです。
内蔵カードリーダーがあれば、B-CAS カードを差し込むカードリーダーを別途購入する必要がありません(条件付き・後述)。

基本的に PLEX の機種か、PLEX と同じ Digibest から OEM している e-better の機種にしかありません。アースソフトの PT3 や DD Max M4 などには内蔵カードリーダーはついていません。

しかし、この内蔵カードリーダーがなかなかの曲者で、通常のスマートカードリーダーとしては認識してくれません。BonDriver 側にある内蔵カードリーダー読み取り機能からアクセスするような形になります。内蔵カードリーダーへのアクセスは BonDriver の種類に依存するため、一筋縄ではいきません。
また、非公式ドライバ (px4_drv) 利用時と、Linux 環境では内蔵カードリーダー自体が使えません。

通常のスマートカードリーダーとして認識されないため、内蔵カードリーダーにマイナンバーカードなどの普通のスマートカードを挿して使うことはできません。あくまで B-CAS 専用です。

さらに、PLEX の内蔵カードリーダー、特に内蔵型タイプのチューナーのものにおいては、接触が悪くいつの間にか接触不良で認識しなくなることがあります。
私も当初は内蔵カードリーダーで運用していましたが、カードの接触が悪くて何度も PC の蓋を開けて抜き差しを繰り返す羽目になったので、現在は外付けカードリーダーを使っています。

内蔵カードリーダーを頑張って使おうとして苦労するくらいなら、(多少配線がごちゃつきますが)素直に外付けカードリーダーを買うか、抵抗がなければ SoftCas を使った方が良いでしょう。
Linux で構築する場合は公式ドライバであっても内蔵カードリーダーは使えないので(+ 公式 Linux ドライバは最新の Linux カーネルに対応しておらず、事実上利用不可)、外付けカードリーダー or SoftCas は必須になります。

アースソフト

PT3

https://www.amazon.co.jp/dp/B00857CQAM?tag=tsukumijima-22
  • タイプ:内蔵型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 2・BS/CS × 2
  • 接続タイプ:PCI Express x1
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:

2012年6月に発売された、TS抜きチューナーの王道でかつ定番のチューナーです。失敗したくなければ PT3 を買っておけば間違いありません。
ロープロファイル対応で、ちゃんとした PCIe 接続です。
PLEX チューナーにありがちな「PCIe 接続は電源の供給だけでデータ転送は内部 USB 接続」といったような代物ではなく、データ転送もちゃんと PCIe 接続で行います。

本来は PCIe ボードなのにデータ転送が内部 USB 接続な事自体があり得ないんですが…

知人から譲っていただいたものを使っていますが、同じく持っている PX-Q3PE4 と比較して非常に高品質でドロップもなく、チャンネル切り替えも早く、耐久性も高くて文句無しの逸品です。
欠点を敢えて上げるとしたら、W チューナーなのでチューナー数が少なめ(アースソフト製品で Q チューナーはない)所くらいでしょうか。

…が、前述したように何年も前に生産終了となっているため、市場価格はプレミア価格です。
本来 PT3 の定価は税別 ¥13,200 だったそう(ソース)ですが、2023年8月末時点での新品価格の相場は約 ¥45,000 前後と、約 3.5 倍にまで跳ね上がっています。
中古ですら ¥20,000 ~ ¥30,000 と定価の2倍前後で取引されており、中古の W チューナーとしてはかなり高めです。

今から PT3 を買うくらいなら 地デジ/BS/CS×4 マルチチューナーの DD Max M4(後述)の方がスペック上は上位互換なので、一度見てみることをおすすめします。

PT2

https://www.amazon.co.jp/dp/B002WLP190?tag=tsukumijima-22
  • タイプ:内蔵型(フルハイト)
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 2・BS/CS × 2
  • 接続タイプ:PCI (PCI Express ではない)
  • アンテナ端子数:4系統
  • 内蔵カードリーダー:

2009年10月に発売された、TS 抜き黎明期のチューナーです。PT3 が発売される前は PT2 が主流でした。PT3 とは異なりフルハイトで、アンテナ端子数も 4 系統(地デジ×2・BS/CS×2)必要になります。

PT3 の前機種で発売から13年以上も経ちますが、未だに壊れず安定して動作するからと、2023年になった今でも使っているユーザーがいます。電子機器全体で見ても、13年故障なしで持つ物は品質が高いものに限られるでしょう。

PT2 のさらに前の PT1 というチューナーもあるのですが、比較的早くに PT2 が出た事もあって現在はあまり流通していません。スペックや構成も PT2 とさほど変わらない(?)ため、この記事では割愛しています。私がよく知らないのもありますが…。

そんな PT2 ですが、2023年現在、メルカリ を覗くと中古の在庫が(TS抜きチューナーとしては)比較的多く出回っています3価格も約 ¥4,000 前後と比較的リーズナブルです。
…が、これには理由があります。接続タイプが PCI だからです。PCI Express ではない、PCI Express が出る前の規格です。

PCI スロットが必要な PC 向け拡張ボードは、少なくとも2021年現在でなお日本国内で用いられているものとなるともはや PT2 くらいしかないと言っても過言ではなく、現在発売されている PC 向け拡張カードはほぼ 100% PCI Express 向けのボードになっています。
そうした背景から、場所を食う PCI スロットをわざわざ配置する必要が(それこそ PT2 を使うくらいの用途でしか)皆無ということで、最近のマザーボードには PCI スロットがありません。

…これらの状況から勘案するに、「PT2 を 10 年前くらいに購入して安定して運用していたが、PC の方が Windows 7 だったりで買い替えの時期になり、買い替えようとするが PCI スロットがないため PT2 が差せず、泣く泣くPLEX 等の他の機種に買い換えるか『最近テレビ見てないから』とTS抜き自体をやめる」といった事例が全国各地で起きており、これに伴って中古が大量に出回っているものと考えられます。

それでも、12年も前の PC 用拡張ボードが約 ¥8,000 とかで売れている事自体が PC 関連機器全体で見るとかなり特殊でしょう。12 年も前のグラボなんて誰もいらないでしょうし。

TS抜きチューナーが特殊な事、PT2 が安定している事、PT3 がプレミア価格になっている事、PT3 の後継が発売されず安定したチューナーがあまりない事、テレビチューナー自体が枯れた技術で性能の進歩等がない(PLEX チューナーに至ってはむしろ品質が落ちてる…)といった複合要因が組み合わさってこのような事になっているのだと思います。

もちろん PCI スロットが新しいマザーボードにないからといって諦める人ばかりでもなく、PCI と PCI Express とを変換するライザーカードなるものを使って無理やり PT2 を PCI スロットなしのマザーボードで使う猛者や、わずかながら販売されている PCI スロットを積んだマザーボード を敢えて選ぶなどして延命する人もそれなりにいるようです。「PT2 PCI」でググるといろいろ出てきます。

PC 買い替えのタイミングで PCI スロットがなく諦めて誰かが手放した PT2 を、PLEX チューナーに愛想尽きたが PT3 には手が届かない誰かが、PCI スロットの制約と13年経っている事によるいつ起きてもおかしくない故障のリスクを許容して買う、という構図になっているように感じます。

PCI スロットだったりアンテナ端子数が 4 系統だったり、さらに物理的な老朽化もあって現在ではお世辞にも取り回しのしやすいチューナーとは言えませんが、その安定性と耐久性から未だに支持されつづけているチューナーです。

PLEX

PX-W3PE5

https://www.amazon.co.jp/dp/B08Q3FGSTC?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】プレクス PLEX PCI-Ex 接続 地上デジタル・BS・CS マルチテレビチューナー PX-W3PE5(1個) | 価格比較 - 商品価格ナビ
PLEX PCI-Ex 接続 地上デジタル・BS・CS マルチテレビチューナー PX-W3PE5(1個)の価格比較、最安値比較。【最安値 22060円(税込)】【注目ランキング:4位】(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳細:・視聴に対...
  • タイプ:内蔵型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 2・BS/CS × 2
  • 接続タイプ:PCI Express x1
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

2020年12月に発売された、PLEX 製チューナーの最新機種です。内蔵型の W チューナーで、TS抜きチューナーの中では標準的なスペックの機種になります。
前機種である PX-W3PE4 と異なり、受信したデータを PCIe 経由で転送するようになったため、内部 USB 接続が不要になりました。それ以外のスペックに関しては違いはなく、無理やり PX-W3PE4 のドライバを当てて動いてしまうくらい PX-W3PE4 と同じハードウェア構成になっています。

PCIe 接続だけで OK なのを謳い文句にしてはいますが、どちらかというと PCIe 接続なのにメインのデータ通信は内部 USB という今までの機種がイレギュラーだったんだよな…と言わざるを得ません。
ハードウェア的にも単に USB ⇔ PCIe 変換チップを搭載した程度で、特に大きく改良が加えられているわけでもありません。それでも内部 USB 接続でなくなったことで、内部 USB 端子の接触諸々を気にする必要がなくなったという点では、若干ドロップ対策になっている可能性はあります。

前述の通りハードウェア構成はほとんど変わっていないので、PT3 のようなド安定チューナーだと思って買うと期待外れになるかもしれませんとはいえ、非公式ドライバを入れればかなり安定して使えます。

PX-W3PE4 との違いは『PCIe 接続』『PCIe (電源供給) + 内部 USB (データ通信) 接続』かどうかだけです。2023年8月末時点では新品の PX-W3PE4 を入手するのは難しくなってきているため、もし PX-W3PE4 の在庫があればそれでも良いですが、なければ PX-W3PE5 をお勧めします。

PX-W3PE4

https://www.amazon.co.jp/dp/B06Y6MG4J2?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】プレクス プレクス PCI-Express型地デジ BS/CSチューナー PX-W3PE4 | 価格比較 - 商品価格ナビ
プレクス PCI-Express型地デジ BS/CSチューナー PX-W3PE4の価格比較、最安値比較。【最安値 26155円(税込)】【評価:3.83】【口コミ:6件】(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳細:・PCI-EX+内部US...
  • タイプ:内蔵型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 2・BS/CS × 2
  • 接続タイプ:PCI Express x1 + 内部 USB 接続
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

内蔵型の W チューナーで、長い間販売されていた PX-W3PE の後継機です。
PX-W3PE5 同様、TS抜きチューナーの中では標準的なスペックの機種になります。

…が、トータルで見るとむしろ PX-W3PE よりも劣っています。PX-W3PE では不要だった内部 USB 接続が必要になってしまったのがわかりやすい例でしょう。
内部 USB 接続なのは PX-W3U4 などの外付け型チューナーと設計を共通化するためだそうですが、安定性面だけでなくマザーボード周りの取り回しが面倒な事もあって、ユーザーからは不評でした。
その後後継機種として PCI Express x1 のみで動作する PX-W3PE5 が発売され、今に至ります。

2022年1月、後継の PX-W3PE5 の発売にともない、PX-W3PE4 は PX-Q3PE4 と同時に生産終了となりました。2023年8月末時点では流通在庫も概ね払底しており(Amazon でも品切れ状態)、今から新品を入手するのは難しい状態です。
後継として PX-W3PE5 が出ているので、プレミア価格になっているのを入手するよりかは PX-W3PE5 を買った方が良いでしょう。

PX-Q3PE5

Amazon.co.jp
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プレクス マルチTVチューナー PX-Q3PE5の価格比較、最安値比較。【最安値 34658円(税込)】【売上ランキング:5位】【注目ランキング:26位】(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳細:ブランド名:プレクス|メーカー型番:PX...
  • タイプ:内蔵型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 4・BS/CS × 4
  • 接続タイプ:PCI Express x1
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

PX-W3PE5 の発売から遅れること1年の2022年1月、PX-W3PE5 と対になる Q チューナーとして発売されました。PX-W3PE5 の兄弟機種かつ、上位機種にあたります。
基板自体は PX-W3PE5 と共通で、PX-W3PE5 の基板の未実装部分にチップを搭載し、PX-W3PE5 の2倍のチューナー数を実現しています。

PX-W3PE5 はクラウドファンディングで資金を募っており、その際に PX-Q3PE5 の開発まで完了していました。ただ、発売当初のドライバ署名問題などがあった影響からか当初の予想より売れなかったようで、価格も高く需要も少ない PX-Q3PE5 の発売は延期になっていました。
それから1年が経ち、px4_drv のおかげで PLEX チューナーへの逆風が収まったこと、PX-Q3PE4 の製造済み在庫がだいぶ捌けてきたことが PX-Q3PE5 の発売につながったのではないかと推測しています。

スペック自体は PX-Q3PE4 と同一で、違いは PX-W3PE5 同様に内部 USB 接続の必要がなくなったことくらいです。

PX-Q3PE4

https://www.amazon.co.jp/dp/B075DVVPB1?tag=tsukumijima-22
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プレクス テレビチューナー PX-Q3PE4の価格比較、最安値比較。(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳細:同時録画・視聴に対応しているためPX-Q3PE4は地上デジタル放送x4ch、BS/CS放送x4chの計8chを同時録画可能!※...
  • タイプ:内蔵型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 4・BS/CS × 4
  • 接続タイプ:PCI Express x1 + 内部 USB 接続
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

内蔵型の Q チューナーで、長い間販売されていた PX-Q3PE の後継機です。
PX-W3PE4 の兄弟機種かつ、上位機種にあたります。基板自体は PX-W3PE4 と共通で、PX-W3PE4 の基板の未実装部分にチューナー/復調 IC を追加搭載し、PX-W3PE4 の2倍のチューナー数を実現しています。
デバイスマネージャーでも機種名以外は PX-W3PE4 を2枚差ししたのと同様の認識になっています。

PX-W3PE4 の兄弟機種なこともあり、安定性も使用感も PX-W3PE4 とほぼ同じです。
PX-Q3PE4 に関しても、後継として PCI Express x1 接続の PX-Q3PE5 が発売される予定でした。ところが PX-W3PE5 が発売当初のドライバ未署名問題で予想売上を下回ったからかなかなか発売されず、2022年1月になってようやく発売されました。

私がTS抜きを始めたときに買ったチューナーです。現在はメインチューナーを PT3 に譲りましたが、今も視聴用や各種実験用に使っています。そんなに安定しないのでドロップ自体はしますが、私の環境では録画専用 PC で運用していたからか、そこまで頻度も多くなくドロップの程度も比較的軽微に収まっていました。

2021年8月にドライバを非公式ドライバ (px4_drv for WinUSB) に変更したところ、以前とは比べ物にならないほど安定するようになり、さらにチャンネル切り替えがかなり早くなりました。
他の PLEX チューナー同様、非公式ドライバであれば快適に使えると思います。

価格は PX-W3PE4 を2枚買うよりかは安い価格設定になっています。
割と高めですが、「存分に録画も視聴もするぞ!」って方にはおすすめです。ただ、今は PX-MLT5PE や DTV02(03)A-4TS-P(後述)という選択もあります。そちらの方が安くてコスパが高いので、どれくらい使うかによって決めるとよいでしょう。

2022年1月、後継の PX-Q3PE5 の発売にともない、PX-Q3PE4 は PX-W3PE4 と同時に生産終了となりました。2023年8月末時点では流通在庫も概ね払底しており(Amazon でも品切れ状態)、今から新品を入手するのは難しい状態です。
後継として PX-Q3PE5 が出ているので、プレミア価格になっているのを入手するよりかは PX-Q3PE5 を買った方が良いでしょう。

PX-MLT5PE

https://www.amazon.co.jp/dp/B07MFPVTJY?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】プレクス プレクス 地上デジタル BS CSテレビチューナー PX-MLT5PE | 価格比較 - 商品価格ナビ
プレクス 地上デジタル BS CSテレビチューナー PX-MLT5PEの価格比較、最安値比較。【最安値 27280円(税込)】【評価:5】【口コミ:1件】【注目ランキング:19位】(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳細:フルハイビジョ...
  • タイプ:内蔵型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ・BS/CS × 5(マルチチューナー)
  • 接続タイプ:PCI Express x1 + 内部 USB 接続
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

TS抜きチューナー史上初のマルチチューナーです。
PLEX チューナーは安定しないのでもっぱらプレ糞なんて言い方すらされていますが、少なくとも発売当時はTS抜きチューナーの中で地デジと BS/CS を分け隔てなく使える機種は存在しなかったため、なんだかんだ言ってかなり画期的でした。現在では DD Max M4 もありますが、そちらはかなりお高いです…。

型番の MLT5 は 5 つのマルチチューナーが搭載されている事を示しています。第2世代が出たら PX-MLT5PE2 とかになるのでしょうか。
マルチチューナーな分価格は PX-W3PE5 よりも高いですが、PX-Q3PE5 よりは幾分安い絶妙な価格設定となっています。

PX-Q3PE4 を長年実際使っていて感じますが、特に BS/CS のチューナーが余りがちです。
もっとも地方に住んでいて BS のアニメを録りまくっている人、スカパーを契約している人だと違うかもしれませんが、一般的には地デジのチューナー使用頻度が高く、BS/CS のチューナー使用頻度はかなり低くなると思います。BS で見る番組ってアニメくらいしかないですし。

BS/CS に4チューナーは要らないけど、BS/CS 自体は受信できるようにしておきたい。そういったニーズを捉えた機種だと感じます。
「おすすめのTS抜きチューナー」で後述しますが、PX-W3PE4 では足りないけど、PX-Q3PE4 ほどチューナーはいらない、という方にはおすすめです。ちょっと情報が少ないのが懸念点ではあるかも。

他の機種同様に、パラボラアンテナへの電源供給(LNB 給電)に対応しています。
公式サイトや px4_drv 本家の Readme では対応していないものとされていますが、5ch の有志らにより、正しく LNB 電源を供給できることが確認されています [4]https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/avi/1648542476/267-288

ただ、LNB 給電機能は一歩間違えるとチューナーを壊しかねません(前述の通り)。くれぐれも LNB 給電をオンにした状態でアンテナ線を抜き差ししないようにしてください。不安であれば LNB 給電機能を使わずに、別途電源供給用のアダプターなどを買うことをおすすめします。
公式サイトほかで対応していない扱いになっているのも、雑に扱うとすぐに壊れるからなのかもしれません。

なお PX-MLT5PE からチューナー数を1つ減らしただけの DTV02(03)A-4TS-P もあります。
チューナーが少ない分さらに安いので、そちらもおすすめです。

PX-MLT8PE

https://www.amazon.co.jp/dp/B0823M7VQ1?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】プレクス プレクス 8チャンネルマルチTVチューナー PX-MLT8PE | 価格比較 - 商品価格ナビ
プレクス 8チャンネルマルチTVチューナー PX-MLT8PEの価格比較、最安値比較。【最安値 34452円(税込)】【注目ランキング:15位】(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳細:・地デジ・BS/CS をお好きな組み合わせで最大8...
  • タイプ:内蔵型(フルハイト)
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ・BS/CS × 8(マルチチューナー)
  • 接続タイプ:PCI Express x1 + 内部 USB 接続
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

2019年11月に発売された、TS抜きチューナーとしては比較的新しいモデルです。
PX-MLT5PE の上位機種で、型番の MLT8 の通り、マルチチューナーを8つも搭載しています。
PLEX の内蔵型チューナーは基本ロープロファイル対応なのですが、このチューナーのみフルハイトとなっています。さすがにロープロファイルの基板には収まらなかったんでしょうか。

実際の内部構造としては、PX-MLT5PE 相当のデバイスと、マルチチューナーを3つ搭載したデバイスの2つが別個に搭載されるような形になっています。内部 USB ケーブルもこの機種のみY字型に別れていて、それぞれチューナー上部と下部に接続する形です。内部 USB 端子こそ1端子で収まっているようですが、実際には USB 機器2つ分として認識されます。
PX-MLT5PE の上に PX-MLT3PE(?)を乗っけたのでフルハイトになった、ってとこでしょうか。
一部では2つ認識されるデバイスに対し PX-MLT8PE5・PX-MLT8PE3 なんて呼び方もされています。

こうした歪な構成になっている理由は、PLEX (Digibest) 製チューナーでよく使われている IT9305E という TS コントローラーチップが、最大で5チャンネルしか同時に処理できないためです。
本来であれば 8 チャンネル同時に処理にできるコントローラーチップを搭載すべきですが、IT9305E の製造元の ITE はそうしたチップを製造していません。別のメーカーに変えて製造コストが上がるのを避けるべく、やむを得ず別の USB デバイス扱いにしているものと思われます。
PX-Q3PE4 や PX-Q3U4 が W3PE4 / W3U4 を2つ搭載したような内部構造になっている一因でもあります。あとは以前の設計を流用できる(=製造コストを下げられる)といった理由もあるでしょう。

PLEX が現在販売しているチューナーとしては最上位のスペックに位置するチューナーではありますが、

  • 価格がかなり高い
  • その割に公式ドライバでは不安定だった
  • 結局そんなにマルチチューナーがあっても多くの人は使い切れない

からか、発売から2年以上が経過した今なおあまり普及していないように見えます。したがって、導入報告といった情報が全然ありません。
また、8チューナーをフルで使うとどこかしらドロップが発生しやすいみたいです。PX-MLT5PE よりさらに不安定という話も。

非公式ドライバ (px4_drv) は PX-MLT8PE にも対応しています。px4_drv にすれば PX-MLT8PE でも結構安定するのかもしれません。買った人が少ないからかそもそも情報が少ないですが…。
ちなみに DTV02A-4TS-P / PX-MLT5PE / PX-MLT8PE のチューナー IC にはソニー製の CXD2856ER が使われており、px4_drv を使う限りではむしろ他のチューナーより安定性が高いという報告もあります。

とにかくチューナー数を増やしたいのであればよいでしょうけど、安定性やコスパを求めるのであれば他の機種を検討した方が良いように思います。家族で共用されている方、あとは全録したい方向けでしょうか。

とは言え、一度チューナー数少なめで比較的安価なチューナーを買ってから、欲しくなった時に買い足しても良いとは思います。

他の機種同様に、パラボラアンテナへの電源供給(LNB 給電)に対応しています。
PX-MLT5PE と同じく公式サイトや px4_drv 本家の Readme では対応していないものとされていますが、5ch の有志らにより、正しく LNB 電源を供給できることが確認されています [5]https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/avi/1648542476/267-288

前述したように、LNB 給電機能は一歩間違えるとチューナーを壊しかねません。くれぐれも LNB 給電をオンにした状態でアンテナ線を抜き差ししないようにしてください。不安であれば LNB 給電機能を使わずに、別途電源供給用のアダプターなどを買うことをおすすめします。

PX-W3U4

https://www.amazon.co.jp/dp/B01MR4SLB6?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】プレクス プレクス PCI-Express型地デジ BS/CSチューナー PX-W3U4 | 価格比較 - 商品価格ナビ
プレクス PCI-Express型地デジ BS/CSチューナー PX-W3U4の価格比較、最安値比較。【最安値 22999円(税込)】【評価:4.38】【口コミ:13件】【注目ランキング:9位】(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳細:...
  • タイプ:外付け型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 2・BS/CS × 2
  • 接続タイプ:外部 USB 2.0 接続
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

外付け型の W チューナーで、それより前まで発売されていた PX-W3U3 の後継機です。
外装は PX-W3U3 と瓜二つですが[6]外装の変化に関してはむしろ PX-W3U2 から PX-W3U3 の変化の方が大きい気がする兄弟機種で内蔵型である PX-W3PE4 同様、基板は大きく変更されています。
ハードウェア構成も内蔵型と外付け型の違いはあるとはいえ、概ね PX-W3PE4 と共通です。

ノート PC しか持っていない場合、ドングル型を除けば PX-Q3U4 と並び選択肢に上がる唯一のチューナーです。意外に外付け型チューナーは多くなく、現在販売されているものではほかに PX-Q3U4 くらいしかありません。メーカーも今まで発売してきているのは PLEX くらいです。
ラズパイと組み合わせた小型録画サーバー用途としてもよく使われています。

外付けということもあって、なんとリモコンと赤外線モジュールが付属しています。radi-sh 版 BonDriver に付属の x3u4Remocon プラグインを使えば、TVTest を操作するリモコンとして使えます。
…が、PC でテレビを見ている時点でリモコンを使う機会はさほどないようで(それはそう…)、使っているという報告をあまり見かけません。Linux や非公式ドライバでは使えませんが、それ以前に需要が皆無。

リモコンは需要ないだろうし PX-W3U4 にするときに削ってもよかったのでは?とは思いますが、初代 PLEX チューナーである PX-S3U から続く機能なので、デグレードしたくなかったんでしょうか。
現状大多数のユーザーがリモコンと赤外線モジュールを利用していないので、ぜひともオミットしてその分価格を下げてもらいたい所ですが…。

PX-Q3U4

https://www.amazon.co.jp/dp/B01MYBITR0?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】プレクス プレクス USB接続 地上デジタル・BS・CS対応TVチューナー PX-Q3U4 | 価格比較 - 商品価格ナビ
プレクス USB接続 地上デジタル・BS・CS対応TVチューナー PX-Q3U4の価格比較、最安値比較。【最安値 32999円(税込)】【注目ランキング:13位】(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳細:同時録画・視聴に対応しているため...
  • タイプ:外付け型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 4・BS/CS × 4
  • 接続タイプ:外部 USB 2.0 接続
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

外付け型の Q チューナーで、PX-Q3U4 の上位機種です。
外付け型での Q チューナーは実はTS抜きチューナー史上初の機種だったりします(今までは W チューナーまでしかなかった)。現在販売中の外付け型チューナーは、PX-W3U4 とこの PX-Q3U4 の2つだけです。

兄弟機種で内蔵型である PX-Q3PE4 同様に、PX-W3U4 の基板の未実装部分に追加で IC チップを実装し、チューナー数を2倍に増やした構成になっています。
チューナー数が倍になっていること、冷却ファンが搭載されていること以外は、PX-W3U4 との違いはありません。デバイスマネージャーでも機種名以外は PX-W3U4 を2台挿したのと同様の認識になっています。

PX-W3U4 同様に、ラズパイで小型録画サーバーを組まれる方が割と使っている印象です。
ただし、複数チューナーを同時に使うと結構冷却ファンがうるさいようで、ファン自体を物理的に静音のものに交換されてる猛者もいます。

PX-S1UD V2.0

https://www.amazon.co.jp/dp/B0141NFWSG?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】プレクス プレクス USB接続ドングル型地上デジタルTVチューナー TVチューナー PX-S1UD V2.0 | 価格比較 - 商品価格ナビ
プレクス USB接続ドングル型地上デジタルTVチューナー TVチューナー PX-S1UD V2.0の価格比較、最安値比較。【最安値 5799円(税込)】【評価:3.83】【口コミ:6件】【注目ランキング:7位】(2/27時点 - 商品価格ナ...
  • タイプ:ドングル型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 1
  • 接続タイプ:外部 USB 2.0 接続(ドングル)
  • アンテナ端子数:1系統
  • 内蔵カードリーダー:

USB メモリサイズの非常に小型(世界最小を謳っているらしい)なチューナーです。
とにかく小型で安価なため、ラズパイで録画サーバーを作りたい方や、とりあえずテレビ視聴環境を用意したい方によく使われています。
さらにドングル型のため、必要に応じてチューナーを買い足しやすいのがメリットです。

現在流通するものは 2015 年 8 月に発表された 改良型 (V2.0) 。無印と比較して少しサイズが小さくなっているそうですが、スペック的な違いはありません。
PX-S1UD(無印)は 2011 年発売なことを鑑みると、現在販売中の PLEX チューナーの中では一番息の長い方に入りそうです。
同時期に発売された PX-BCUD という BS/CS だけ受信できるドングルチューナーもあったのですが、PLEX の中の人いわく使っていたチップが供給終了になり、基板を設計し直すほどの売れ行きがなかったのでやむなく生産終了になってしまった とのこと。

PLEX チューナーではありますが、製造元は Digibest ではなく MyGica (Geniatech) という中国の会社です。さらにチューナー/復調 IC には Siano SMS2270 というイスラエルの会社のものが使われています。

Linux では、PX-S1UD・PX-Q1UD・MyGica S270/VT20 が採用している Siano 製チューナー IC のドライバが Linux カーネルに標準搭載されています。
そのため、別途ファームウェア (isdbt_rio.inp) をネットから拾ってきて /lib/firmware にぶち込んでおけば、別途ドライバを入れることなく V4L2 DVB インターフェイスを持つチューナーとして利用できます。詳細はググってください(色々情報が出てくるはずです)。

価格は ¥5,000 前後(2023年8月末時点)ですが、後述の通り PX-S1UD V2.0 とほぼ同等の機種が ¥3,500 前後(2023年8月末時点)で販売されています。
さらに PX-S1UD には付属していない簡易モバイルアンテナと USB の延長ケーブルも付属しているので、同等品に抵抗がなければそちらを買った方がお得です。

PX-Q1UD

https://www.amazon.co.jp/dp/B079YD3QT3?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】プレクス プレクス USB接続型フルセグ対応 4ch地上デジタルTVチューナー PX-Q1UD | 価格比較 - 商品価格ナビ
プレクス USB接続型フルセグ対応 4ch地上デジタルTVチューナー PX-Q1UDの価格比較、最安値比較。【最安値 14799円(税込)】【評価:4.5】【口コミ:2件】【注目ランキング:14位】(2/27時点 - 商品価格ナビ)【製品詳...
  • タイプ:ドングル型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 4
  • 接続タイプ:外部 USB 2.0 接続
  • アンテナ端子数:1系統
  • 内蔵カードリーダー:

PX-S1UD 相当の基盤を USB ハブ経由で 4 つぶらさげただけの構造のチューナー[7]https://diary.hatenablog.jp/entry/2018/03/15/215147。ドライバも PX-S1UD と同じものが使えるらしいです。
PX-S1UD 同様、PLEX 製品ながら MyGica (Geniatech) の ODM 製品となっています。チューナー/復調 IC も同様に Siano SMS2270 です。

PX-S1UD × 4 のハードウェア構成ではあるものの、F型端子自体は1つなのでわざわざ分配器を挟む必要がなく、あと PX-S1UD を 4 個買うより安いのがメリット。

2023年8月追記: カタログスペック面だけ見れば申し分ないのですが、どうやら受信環境や個体差によって挙動の差が激しいらしく、全てのチューナーで受信感度が大幅に異なったり一部チューナーだけ特定の物理チャンネルが映らなかったりなど、とにかく不安定なようです。
当たり個体や、そうでなくても適切な受信環境を整備すれば安定させられなくもないようですが、2023年8月末時点では MyGica VT20 (後述の PX-S1UD 同等品) を4つ買うのと大差ない価格になっています。多少配線が面倒にはなりますが、同じ値段を出すなら後者をお勧めします。

PX-S1UD V2.0 ほど小型ではありませんが、PX-S1UD V2.0 同様にラズパイで録画サーバーを構築する場合に使われる事が多い印象です。
ただし BS/CS の受信はできないので、BS/CS を受信したいのなら PX-W3U4 か PX-Q3U4 になります。あとは e-better の DTV02(A)-1T1S-U を別途買って BS/CS 用にするとか…(コスパ悪いけど)。

一応ドングル型ではあるものの、商品写真で分かる通り、完全にダイレクトにつながっているわけではありません。また4チューナーも搭載しているからか、電源供給用の AC アダプターが付属しています。

ラズパイでは USB バスパワーだけの方がうまく動くらしいほか、一般 PC でも安定させるためには敢えて AC アダプターを外して USB バスパワーだけで動かした方が良い、という説もあります。
環境によって安定させるための手法はまちまちのようです。

MyGica

MyGica S270 / MyGica (VASTDTV) VT20

https://www.amazon.co.jp/dp/B078LH4K3M?tag=tsukumijima-22

🔼 MyGica S270 🔽 MyGica (VASTDTV) VT20

https://www.amazon.co.jp/dp/B08K8ZF8VN?tag=tsukumijima-22
  • タイプ:ドングル型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 1
  • 接続タイプ:外部 USB 2.0 接続(ドングル)
  • アンテナ端子数:1系統
  • 内蔵カードリーダー:

実はこのチューナー、PX-S1UD V2.0 の ODM 供給元、MyGica (Geniatech) のオリジナルモデルで、PX-S1UD V2.0 とパッケージやロゴが違うだけの同等品。機能的には全く変わりません。
ドライバ類も PX-S1UD V2.0 のものが使えてしまうので、PX-S1UD V2.0 のドライバを入れると PX-S1UD V2.0 として認識されるんだそうです。当然チューナー/復調 IC や基板も PX-S1UD と全く同じ。

元々中華企業御用達 AliExpress で販売されているもので、それが Amazon にも進出してきたものみたいです。以前はちゃんと MyGica S270 と書かれていたパッケージだったようですが、現在では VASTDTV という謎のブランド名義のパッケージになっています。訳がわからないよ…。

MyGica S270 としては2017年頃から販売されていたようですが、2019年の後半頃から Amazon での取り扱いがなくなり(?)、代わりに赤い VASTDTV ブランドのパッケージになった「MyGica VT20」が新たに取り扱われるようになりました。この MyGica VT20 と MyGica S270 は型番こそ異なるもののそれ以外は同一で、PX-S1UD とも同等品です。マジで意味わからん。

さらに、取り扱いがなくなっていた MyGica S270 の在庫もいつのまにか復活し、同じ機種が別々の製品として売られているという奇妙な状態になっています。
復活した MyGica S270 は Amazon の製品ページこそ以前のものを継承しているものの、実際の製品は MyGica VT20 と同一のパッケージで送られてくるようです。以前の MyGica S270 とはパッケージが大幅に異なるほか、CD-ROM(後述の視聴ソフトのインストーラーが入っていたと思われる)が同梱されなくなっているなどの差異があります。
…こうした経緯から、事実上 MyGica S270 と MyGica (VASTDTV) VT20 は、パッケージを含め同一の製品となっています。なぜか値段が微妙に違ったりするので、安い方を買っておけばいいと思います。

チューナーのパッケージはこの手の製品にありがちな怪レい日本悟ではなく普通の文章ですが、それだけに謎のブランド感が漂っています。発送はなぜかシンガポールからです。
チューナーのロゴも VASTDTV のものになってはいますが、取り扱い説明書には PX-S1UD V2.0 のものがそのまま入ってたりするというこの雑さ。複数の方が PX-S1UD V2.0 の説明書が入ってたのを確認しているそうなので仕様なんだろうけど、こんなんでいいんですか PLEX さん…。

VASTDTV で検索しても MyGica VT20 くらいしかヒットしないので、なんのブランドなのかさえもよくわかりません。MyGica (Geniatech) の日本向けサブブランド?
パッケージデザインはフォントからして PLEX 製品に似ているし、TVTest の説明が書いてあるあたり明らかに日本市場向けです(日本の地上波放送規格である ISDB-T 自体はブラジルを筆頭に南米諸国でも使われている)。この調子で BS/CS(ISDB-S)のドングルチューナーも発売してほしいものですが…

PX-S1UD V2.0 との一番の違いは、簡易モバイルアンテナが付属していることでしょうか。
以前は PLEX 側にも PX-S1UD V2.0 Plus というモバイルアンテナ付きのモデルがあったのですが、すでに販売終了になっています。
MyGica S270 / VT20 に付属のアンテナは、以前 PX-S1UD V2.0 Plus に同梱されていたアンテナとは形状が異なるようです(もっとも、出先でわざわざテレビを見る機会もあまりないような気はしますが…)。
さらに、なぜか USB 延長ケーブルも付属しています。他の USB ポートが干渉して直付けできない環境向けの親切なのかもしれません。

ほかの違いを強いて挙げれば、公式の視聴ソフト(MyGica の公式サイト からダウンロードできる)が存在することが挙げられます。
S270 に関しては ArcSoft TotalMedia が視聴ソフトとして配布されていますが、VT20 の方はなんと TVTest の 0.7.23 (32bit) がドライバー類と一緒に視聴ソフトとして配布されているようです。[8]http://quuta.atgj.net/gadget/2021041801
ただ、S270 の ArcSoft TotalMedia は TVTest と比べても使いづらいソフトでしょうし、VT20 の TVTest も 0.7.23 と古いバージョンで(最新版は 0.10.0)、さらに字幕などのプラグインやテーマファイルが一切同梱されておらず、機能不足が否めません。
快適な DTV ライフを送りたいのであれば、別途 最新版の TVTest を導入する ことをおすすめします。

2023年8月末現在の価格は PX-S1UD V2.0 が ¥5,500 前後なのに対し、MyGica S270/VT20 は ¥3,500 前後とかなり激安です。アンテナと USB 延長ケーブルがついてくる事も考慮すると、PX-S1UD V2.0 を買うくらいならこっちを買った方が断然お得です。
上記の経緯からしてかなり胡散臭いので、それがどうしても嫌なら PX-S1UD でもいいとは思いますが…。

e-better

DTV02A-4TS-P

https://www.amazon.co.jp/dp/B08QYWY29J?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】【条件付き200円OFFクーポン】【ゆうパケット2】 地デジチューナー フルセグ 地デジ BS CS 4チューナー PCI-Ex チューナー パソコン デスクトップ フルハイト ロープロファイル 内部USB端子 ICカードリーダー DTV02A-4TS-P:カーパーツ KATSUNOKI国際
同時に4ch受信可能な地デジ・BS/CSチューナー。【条件付き200円OFFクーポン】【ゆうパケット2】 地デジチューナー フルセグ 地デジ BS CS 4チューナー PCI-Ex チューナー パソコン デスクトップ フルハイト ロープロフ...
ゆうパケット2 地デジチューナー フルセグ 地デジ BS CS 4チューナー PCI-Ex チューナー パソコン デスクトップ フルハイト DTV02A-4TS-P - e-better
地上デジタル放送とBS/CS放送を最大4チャンネル受信可能 PCI-Exに対応した地デジチュ
  • タイプ:内蔵型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ・BS/CS × 4(マルチチューナー)
  • 接続タイプ:PCI Express x1 + 内部 USB 接続
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

実質 PX-MLT4PE 。PX-MLT5PE(地デジ・BS/CS × 5)からチューナーを1つ減らしただけの構成になっています。Digibest としての型番は ISDB6014 で、ドライバでもその表記が使われています。
2023年8月末時点では ¥20,000 弱と、PX-MLT5PE よりも価格がかなり安いです。チューナー数が少ないので当たり前ですが。

2020年12月から発売を開始した比較的新しい機種ということもあり、知名度も情報もあまりありません。
とはいえ、動作安定性は PX-MLT5PE と変わりませんし、PX-MLT5PE 同様に非公式ドライバ (px4_drv) も使えます。 また、マルチチューナーの中では一番安い機種です。

PX-W3PE5(地デジ×2・BS/CS×2)とは合計チューナー数 (4) こそ同じですが、「地デジ×3・BS/CS×1」「地デジ×0・BS/CS×4」など状況に応じて臨機応変にチューナーを活用できるので、複数の番組を同時に録画したい方には DTV02A-4TS-P の方が向いています。値差やコストパフォーマンスも考慮すると、意外と買いかもしれません。

チューナーの作りはチューナーが1つ少ないことと型番が異なる事以外はほとんど PX-MLT5PE と同じです。導入する際の情報は PX-MLT5PE 向けのものを参考にできると思います。

以前は DTV02-5T-P という地デジ × 5 チューナーの機種があったのですが終売になり、代替として出てきた機種のようです。e-better が現在販売しているラインナップからも DTV02-5T-P の代替機種であることが伺えます(マルチチューナーになったので値上がりしてますが…)。

DTV03A-4TS-P

https://www.amazon.co.jp/dp/B09JBVD2WL?tag=tsukumijima-22
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同時に4ch受信可能な地デジ・BS/CSチューナー。【条件付き200円OFFクーポン】地デジチューナー フルセグ 地デジ BS CS 4チューナー PCI-Ex チューナー パソコン デスクトップ フルハイト ロープロファイル 内部USB端...
  • タイプ:内蔵型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ・BS/CS × 4(マルチチューナー)
  • 接続タイプ:PCI Express x1 + 内部 USB 接続
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️
  • 備考:B-CAS カード付き (!!!!!)

いつの間にか爆誕していた、B-CAS カード付きの DTV02A-4TS-P です。B-CAS カード付きなのに無改造 TS 抜きできます。

実際に買った方によれば、基板そのものは DTV02A-4TS-P とまったく同じで、B-CAS カードとその説明書が同封されているらしいです。また、TS抜きできることも複数人によって確認されています(型番やドライバも全く同じらしい…)。

B-CAS の『再発行』をせずに、正規ルートで B-CAS カードを入手しつつ無改造でTS抜きできるチューナーとしては、後述の DTV03A-1T1S-U と並んで唯一無二の存在です。
価格は B-CAS なし版 (DTV02A-4TS-P) よりも数千円程度高いですが、唯一無二の存在なことを考慮すると買いかもしれません。

Amazon の商品説明ではあたかも DTV02A-4TS-P かのように売られていますが(宣伝画像も B-CAS 付きと書いてある以外は全く同じ)、楽天では DTV03A-4TS-P として売られています。

B-CAS カードの『再発行』(笑) には ¥2,160 も掛かります(高くね?)。
もし TS 抜きチューナーと同時に B-CAS を『再発行』する予定なら、価格相場次第では DTV03A-4TS-P を買ったほうが DTV02A-4TS-P + B-CAS 再発行よりも安いケースもあります。
あと一応 B-CAS を正規ルートで入手できるというメリット(?)もあります。

非公式ドライバでは内蔵カードリーダーが使えないため、別途外付けカードリーダーを買う必要がある点に注意してください。

原則、TS 抜きチューナーには B-CAS カードは付属していません。なぜなら、TVTest や EDCB などの TS 抜き環境の視聴録画ソフトは、ARIB の運用規定 (笑) を全くもって遵守していないからです
B-CAS 社の B-CAS 発行ガイドライン では ARIB の運用規定を遵守する事を求めていて、それに違反しているチューナーには B-CAS カードは発行されないことになっています。

当然 B-CAS カードが付属していなければテレビが見られないため、他の「表」のチューナーと同列に販売することはできません(販売元が視聴ソフトを提供しておらず、ネットを適宜漁ってくれというスタンスな時点で B-CAS 以前の問題…)。
そのため、TS 抜きチューナーの販売ルートはネットまたはアキバのマニアックな店などに限定されています。これが PLEX や e-better にとって、マーケティング上の大きな制約になっていることは言うまでもありません。

一方、e-better に ODM を行っている台湾 Digibest 社は、KEIAN の KTV-FS シリーズ [9]KTV-FSUSB2N が有名内田商事のさんぱくん など、過去にTS抜きができない「表」のチューナーも ODM 製造していました [10]それらのチューナーは後に物理的に改造することで TS … Continue reading

Digibest は ARIB の認定を受けているほか [11]公式サイト に記述がある、視聴録画ソフトとして DigibestTV というソフトも所有しています。DigibestTV は前述の「表」チューナー向けの視聴ソフトとして提供されていることから、おそらく ARIB の運用規定に従い TS 抜きできない作りになっているのでしょう(ちなみに、PLEX TV は DigibestTV の名前をリネームしただけのものです)。

こうした経緯から、おそらく『ARIB の運用規定に準拠している DigibestTV が視聴ソフトの、TS 抜きできないチューナー』という名目で B-CAS 社の審査を通過できたのだと考えられます。
本来はハードウェア的に TS がそのまま抜けないよう対策されている事が発行条件のはずですが [12]実際、KEIAN チューナーでは物理的改造がやりにくいように対策されたロットが存在する、なぜ通ったのかはかなり謎です。

宇勝株式会社が運営するネットショップブランド(カーパーツKATSUNOKI国際・MAXWIN・e-better)では、DTV03A シリーズの製品を「B-CAS カードの付いた PC 向けチューナー」という位置づけで販売しています。
他にも DTV03A-1T1S-U(後述)や DTV03A-1TU などがラインナップされていますが、なぜか DTV03A シリーズは e-better のサイトでは販売されていないなど、謎は深まるばかりです…。

チューナー本体がまったく同じなのに別の機種扱いになっているのも不思議ですが、B-CAS 発行のために名目上別の機種にする必要があったのかも…?

DTV03A-1TU はかつて発売されていた KEIAN の KTV-FSMINI と似た外観で、Mini B-CAS カードが付属しています。
ただ、TS抜きできるか誰も試していないのと(最近 BonDriver_BDA で受信できたという報告があったくらい[13]https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/avi/1577466040/934-948)、そもそもコスパが悪い(ドングルチューナーがほしいなら MyGica VT20 の方が全然安い)こともあって、TS抜きチューナーとしてはほとんど使われていない印象です。人柱になりたいとかでなければおすすめしません…。

DTV02A-1T1S-U

https://www.amazon.co.jp/dp/B08MTGFV39?tag=tsukumijima-22
【楽天市場】【条件付き777円OFFクーポン】【ゆうパケット2】 地デジチューナー フルセグ BS CS 110° USB テレビチューナー 外付け パソコン ノートPC デスクトップ DTV02A-1T1S-U:カーパーツ KATSUNOKI国際
USBポートに接続して地デジテレビを視聴!。【条件付き777円OFFクーポン】【ゆうパケット2】 地デジチューナー フルセグ BS CS 110° USB テレビチューナー 外付け パソコン ノートPC デスクトップ DTV02A-1T1S...
ゆうパケット2 地デジチューナー フルセグ BS CS 110° USB チューナー 外付け パソコン ノートPC デスクトップ DTV02A-1T1S-U - e-better
地上デジタル放送とBS/CS放送を受信可能 コンパクトな地デジ/BS/CSの3波対応デジタルT
  • タイプ:ドングル型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ・BS/CS × 1(マルチチューナー)
  • 接続タイプ:外部 USB 2.0 接続
  • アンテナ端子数:1系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️

BS・110 度 CS が受信できる TS 抜きチューナーの中では最安の機種で、またドングル型チューナーの中で BS / CS が視聴できるのもこの機種が唯一です。Digibest としての型番は ISDB2056 で、ドライバでもその表記が使われています。
とはいえ 1 チューナーしかないのに ¥8,800 〜 ¥11,000 (2023年8月末時点) もするので少し割が悪め。ドングル型の形態にこだわりがなければ、多少高くなりますが PX-W3U4 に手を伸ばした方が良い気もします。

DTV02-1T1S-U は旧モデルで、DTV02A-1T1S-U は2020年12月頃に発売された新モデルです。
DTV02A-1T1S-U では「低温病」と呼ばれる低い温度の環境でチューナーが認識しなくなってしまう問題がハードウェアレベルで解消されているらしいです。現在は新モデルしか流通していないようなので、そのあたりを気にする必要はあまりないと思います(旧モデルも改造すると直るとかいう話もある)。

型番に 1T1S とあるものの、実際には ”1TS” で、地デジと BS/CS を分け隔てなく使えるマルチチューナーが1つだけ搭載されています。つまり、地デジを見ながら BS を録画する、といったことはできません。とりあえずお手軽にテレビが一通り見れればいい、という方にはおすすめです。

px4_drv は、Linux 版のみ DTV(02/02A/03A)-1T1S-U に対応しています。
Windows (WinUSB) 版では公式ドライバを使う必要があることに注意してください。
px4_drv の開発者さんいわく、「1T1S-U は公式のドライバで事足ると思ったので WinUSB 版には対応させなかった」とのこと。

DTV03A-1T1S-U

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【楽天市場】【条件付き200円OFFクーポン】地デジチューナー フルセグ BS CS 110° USB チューナー 外付け パソコン ノートPC デスクトップ DTV03A-1T1S-U:カーパーツ KATSUNOKI国際
USBポートに接続して地デジテレビを視聴!。【条件付き200円OFFクーポン】地デジチューナー フルセグ BS CS 110° USB チューナー 外付け パソコン ノートPC デスクトップ DTV03A-1T1S-U
  • タイプ:ドングル型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ・BS/CS × 1(マルチチューナー)
  • 接続タイプ:外部 USB 2.0 接続
  • アンテナ端子数:1系統
  • 内蔵カードリーダー:⭕️
  • 備考:B-CAS カード付き (!!!!!)

B-CAS カード付きの DTV02A-1T1S-U です。
DTV03A-4TS-P と同様に、B-CAS カード付きなのに無改造で TS 抜きできます。

B-CAS の『再発行』をせずに、正規ルートで B-CAS カードを入手しつつ、無改造でTS抜きできるチューナーとしては、DTV03A-4TS-P と並んで唯一無二の存在です。
DTV03A-4TS-P と同じく、B-CAS カードが付属している事以外は DTV02A-1T1S-U とまったく変わりません。公式 BDA ドライバも共通なことが確認されています。

DTV03A-4TS-P 同様に、B-CAS なし版よりも数千円高い価格で販売されています。B-CAS カードをすでに持っているなら DTV02A-1T1S-U の方が全然安いですし、どちらを選ぶかはお好みで。

DTV02A-1T-U

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ゆうパケット2 地デジチューナー フルセグ USB ドングル チューナー パソコン ノートPC デスクトップ DTV02A-1T-U - e-better
USBポートに接続して地デジテレビを視聴する USBドングルタイプの地デジチューナー
  • タイプ:ドングル型
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 1
  • 接続タイプ:外部 USB 2.0 接続(ドングル)
  • アンテナ端子数:1系統
  • 内蔵カードリーダー:

PX-S1UD とスペック自体は同一の、地上波シングルチューナー。
2023年8月末時点では PX-S1UD よりも若干安いですが、前述の MyGica S270/VT20 の方がさらに安いこと、後述の問題があることから、私はあまりおすすめしません。

DTV02-1T-U は旧モデルで、DTV02A-1T-U は2020年12月頃に発売された新モデルです。現在は新モデル以外は流通していないように見えます。ただチューナーの外観もスペックも使われている IC (MSI2500) も変わっていないので、どこが改良されたのかは謎。

というのも、このチューナーは一応は Digibest 製なものの、チューナー IC から何から他の Digibest チューナーと全く異なる構成のため、他のチューナーで使えるドライバや BonDriver が使えません。
radi-sh 氏の BonDriver_BDA が使えるという話もありますが、公式の BonDriver は 32bit のみの対応だったりといった制約もあります。

TS データへの復調を IC チップではなくソフトウェアで行う SDR と呼ばれる珍しいタイプの製品で、非公式ドライバである px4_drv では 対応しない事が明言されています。
Linux 向け公式ドライバも存在しないため、Linux では動作しません。

この機種は情報もあまりないので、この機種を買うくらいなら MyGica S270 / MyGica (VASTDTV) VT20 を買ったほうが安くスペック的にも変わらないためおすすめです。

ただ、PX-S1UD よりも DTV02(A)-1T-U の方が安定したり受信感度が良いという話も聞きました。
情報量が少ないため導入がちょっと面倒だとは思いますが、チャレンジングな方は買ってもいいかもしれません。

Digital Devices

DD Max M4

HDTV 4 -Tuner TV Karte - DVB-S/S2/C/C2/T/T2/ISDB-T . Einkabellösung/UniCable, Windows & Linux Treiber auch Media Center, 4 Transponder simultan.
HDTV 4 -Tuner TV Karte - DVB-S/S2/C/C2/T/T2/ISDB-T . Einkabellösung/UniCable, Windows & Linux Treiber auch Media Center,...
https://www.goppa.jp/digital-devices/product/max_m4.html
GOPPA
  • タイプ:内蔵型(フルハイト)
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ (ISDB-T)・BS/CS (ISDB-S)・CATV (ISDB-C)・スカパー!プレミアムサービス (DVB-S2) × 4(マルチチューナー)
  • 接続タイプ:PCI Express x1
  • アンテナ端子数:地デジ/CATV: 1系統・それ以外: 4系統
  • 内蔵カードリーダー:

2019年頃にTS抜き界隈を沸かせた、TS抜きチューナー界における黒船。
ドイツにある Digital Devices 社が設計開発から販売までを一貫して行っています。

本来は欧米向けの DVB-T/S/C などの放送規格に対応したチューナーを作っているメーカーですが、なぜかこの DD Max M4 のみ日本の放送規格である ISDB-T と ISDB-S に対応しています。
DD Max M4 自体世界中のほぼすべての放送波(中国の DTMB と日本の ISDB-S3 を除く)を受信できるということで、会社の技術力を誇示するために作ったってところでしょうか。ヨーロッパ向けであれば DVB だけ対応しとけばいい訳ですし。

地上波である ISDB-T はブラジルなど南米やアフリカでも採用されているため、ISDB-T 対応の海外向け製品もある程度存在します。一方、BS/CS 用の ISDB-S は日本以外では全く採用されていないため、日本向けのチューナー以外ではほとんど非対応です。

その動作はあの PT3 を凌ぐとさえ言われるほどド安定で、さらにマルチチューナーでかつ CATV とスカパー!プレミアムサービスも受信できるなど、まさに文句なしのフルスペックチューナー。
特に ISDB-C (DVB-C) に対応したチューナーは選択肢が少なく、特に J:COM などトランスモジュレーション方式で配信されている CATV の BS 再送信を視聴したい方には一定の人気があります。

TS抜きのヘビーユーザーの方が満足して使っている印象で、非常に品質の高いチューナーです。公式で Linux 対応のドライバがあり、少数ながらLinux で使われている方もいます。

残念ながら Amazon などでは取り扱っておらず、Digital Devices 社公式の EC サイトから購入する形になります。公式サイトも日本語に対応しているわけではないので個人輸入という形にはなるのですが、手続きとしては購入決済さえできれば、あとは普通の EC サイトと同様に使えるようです。
それよりもただでさえ高め(スペックを考えたら妥当ではある)なのに消費税+関税+送料がのしかかってくるので、購入するならそれなりのお値段は覚悟する必要があります。

価格は為替レートにもよりますが、2021年5月に購入された方の話によると、送料込みで約 ¥35,000 、さらに関税と手数料がかかったので合計で約 ¥38,000 だったそうです。お高い…

https://www.goppa.jp/digital-devices/index.html
GOPPA

…だったのですが、なんと2023年になって Digital Devices 社の日本総合代理店が開設され、DD Max M4 を国内から購入できるようになりました…!
お値段はかなり張りますが (前述の2021年5月のレートより高い…) 、昨今円安な上送料も高いので、2023年8月現在のレートでは公式サイトから個人輸入するよりも国内発送なのですぐ届きます。
今後 DD Max M4 を買う方は、敷居的な面でもこちらのサイトから購入するのがおすすめです。

ちなみに DD Max SX8 など DVB-S/S2/SX 用チューナーも取り扱っているのですが、ほぼスカパー!プレミアムサービス用となるため、国内で需要がどれだけあるかは未知数…。

初めてTS抜きするユーザーにとっては、手間的にもお値段的にもかなり敷居の高いチューナーです。実際、DD Max M4 の利用ユーザーはヘビーユーザーが大半な印象があります。
ただ情報も比較的多いですし、もし予算に余裕があるのなら、DD Max M4 を買っておいて損はないでしょう。マルチチューナーですし、よほどヘビーな使い方でなければチューナー不足になることもありません。私もいつか使ってみたいです。

注意点として、衛星放送受信用のパラボラアンテナへの LNB 給電自体は可能ですが、電圧が最大 18V と海外仕様になっているため、電圧変換器を利用して電圧を下げる必要があったりと少し面倒くさいです。
とはいえ、スカパー!プレミアムサービスを PC で視聴できるような強者であれば、難なくクリアできるような気はします。

DD Max M4 の導入に関しては EncTools さんのサイトにてかなり詳しく解説されています。

以前は地デジ・CATV用の端子は PAL → F型への変換アダプタを挟む必要がありました。もっとも、日本への発送だからと、サービスで変換アダプタをつけて送ってくれることも多くあったようです。

それでもよほど日本からの注文が多いからか、2021年5月以降に出荷される DD Max M4 からは 真ん中の PAL 端子が F 型端子へ変更されました完全に日本仕様になってるような…
これにより、現在では変換アダプタを別途買う必要はなくなっていると思われます(旧ロットの在庫が残っていれば PAL 端子のものが届くかもしれませんが)。

以前は DD Max A8i という地デジ (ISDB-T)・CATV (ISDB-C) × 8 のチューナーもあったのですが、2021年の春頃(うろ覚え)に販売を終了してしまいました。売れなかったんでしょうか…。

2023年8月末現在、実質的な後継機種として、DD Max M8 (DD Max M4 の 8 チューナー版) の 発売 が予定されています。なお、販売開始は開発の遅れで2022年10月にずれ込んだあと、現時点では発売未定になっています[14]https://twitter.com/Kurii0421/status/1546502122073559041

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おすすめのTS抜きチューナー

ここまで見てきた上で、個人的におすすめのTS抜きチューナーをその用途やニーズごとにご紹介します。

あくまで個人的な意見です。前述したように全ての機種を使った事があるわけではないので、足りない情報などあればぜひ教えて頂けると助かります。

残念ながら、2023年に入ってから半導体不足や円安などの影響により、PLEX と e-better のテレビチューナーが軒並み値上げされてしまいました。
特に PX-W3PE5/PX-Q3PE5/PX-W3U4/PX-Q3U4 は ¥5,000 以上の値上げと以前よりもかなり高額ですが、もともと需要の少ないニッチ商品だけに致し方ありません…。
当初はすぐに収まるのではと考えていましたが、半年ほど現行価格が維持されているあたり、円安が収まるかチューナー特需が発生しない限りは、今後も高値が続きそうです。

テレビが見れて録画できれば十分・とりあえず無難なのがほしい

デスクトップPC・自作PC

https://www.amazon.co.jp/dp/B08QYWY29J?tag=tsukumijima-22
https://www.amazon.co.jp/dp/B08Q3FGSTC?tag=tsukumijima-22

DTV02A-4TS-P 、または PX-W3PE5 がおすすめです。
2023年8月末時点では PLEX チューナーの値上げにより、本来 PX-W3PE5 よりもスペックの高い DTV02A-4TS-P が PX-W3PE5 と同等かそれ以下の価格で販売されています。

TS抜きが初めてでなんもわからん、というのであれば、W チューナー / マルチチューナーであるこの 2 機種のどちらかを購入されるのが無難だと思います。アニメを適宜録画する程度であれば十分事足りるはずです。

もちろん前述の通り PLEX / e-better (Digibest) 製のチューナーは市販のレコーダーほど品質は高くありませんが、とはいえチューナーが突然死んだりするような致命的な不具合があるわけでもありません。
ドロップしたときにどれくらいノイズが載るか、それが気になる程度かどうかは環境と人によるため一概には言えませんが、私の環境では録画に毎回ドロップが入るほど酷くはありませんでした。

私が録画オタクなのでだいぶ辛口に前述してしまっていますが、とにかく見られればいい、見終わったらすぐ録画を消すという方なら全然問題ないと思います。というか、そういう方が大半な気もしています。
要は録画をコレクションだと思うか(ガチ勢)、見れればそれでいいか(エンジョイ勢)です。
さらに、非公式ドライバ (px4_drv) を使えば、驚くほど安定して動作するようにもなります。

非公式ドライバならドロップも大幅に減りますし、チャンネル切り替えもかなり速くなります。
内蔵カードリーダーが使えない以外のデメリットがまったくないので、導入する際には非公式ドライバと併用されることを強くおすすめします。

DTV02A-4TS-P / DTV03A-4TS-P は、PX-W3PE5 とは異なり PCI Express + 内部 USB 接続の機種になります。しかし4つのチューナーを地上波と BS・CS で別け隔てなく使うことができるため、PX-W3PE4/PX-W3PE5 よりも利用する上での自由度が高いです。
スペック的には PX-W3PE4/PX-W3PE5 よりも上位の機種になります。

販売元は e-better という PLEX とは別の会社になっていますが、実際は PLEX チューナーと同様に Digibest が開発製造 (ODM) を行っています。
PX-MLT5PE からチューナーを1つ減らしただけのチューナーで、非公式ドライバ (px4_drv) にも対応しています。知名度や情報は PLEX 製品よりも少なめですが、価格はどちらも大差ないので、一度検討してみてはどうでしょうか。

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なお、DTV03A-4TS-P という、TS抜きチューナーの中でも唯一無二の B-CAS 付き (!!!) モデルもあります。B-CAS カードが付属するだけで価格が数千円ほど上がりますが、正規ルートで B-CAS カードを手に入れたいのであれば買いかもしれません。
両者の違いは B-CAS が付属しているかどうかだけです。どちらにするかはお好みで。

いずれの機種ロープロファイル対応なので、薄型のデスクトップ PC であっても搭載可能です。
ブラケットはロープロファイル・ハイプロファイルの両方が付属しています。

B-CAS カード用の内蔵カードリーダーを搭載しているので、外付けカードリーダーを買い足す必要がありません。ただし、接触があまりよくない上、Linux や非公式ドライバ (px4_drv) では使えません。非公式ドライバを使うメリットがあまりに大きいため、内蔵カードリーダーは事実上使えないものと考えてください
私は接触が悪くなるたびに蓋を開けるのがめんどくさくなったので外付けカードリーダーを使っています。抵抗がなければ SoftCas を使っても良いでしょう。

ノートPC・ミニPC

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PX-W3U4 がおすすめです。というかそれくらいしか選択肢がありません。

PX-W3U4 は PX-W3PE4 / PX-W3PE5 の外付け型版で、同じくWチューナーの機種です。
筐体やリモコンがついている分 PX-W3PE5 より若干高いですが、現在販売中のものに絞ると外付け型の機種自体が多くないので(これと PX-Q3U4 くらい)、事実上これ一択でしょう。

外付け型なので、USB-A 端子があるノート PC やミニ PC でも使えます。ラズパイで使われている方も多くいるみたいです。ただし、別途 AC 電源を必要とします(アダプターは本体に付属)。

内蔵型と同じく B-CAS カード用の内蔵カードリーダーを搭載しているので、外付けカードリーダーを買い足す必要がありません。ただし、こちらも Linux や非公式ドライバ (px4_drv) では使えないため注意。

地デジだけで良いからとにかく安くテレビが見たい

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PX-S1UD 、または MyGica S270 / MyGica (VASTDTV) VT20 がおすすめです。

後者の MyGica S270/VT20 に至っては、2023年8月末時点で ¥3,000 〜 ¥4,000 台と TV チューナーとしては破格の値段で購入できます。
地デジ1チューナーしかないのでチューナー共有ソフトを使わない限り視聴と録画を同時に行うのは厳しいですし、さほど安定する機種でもありません。それでも地上波が見られればそれで十分、という方もいると思いますし、そういう方にはおすすめです。

また、USB メモリのようなサイズ感のドングル型チューナーのため、買い足すことでチューナー数を増やす事ができます。2個買えば2チューナーになりますし、足りなくなったら買い足せるのもメリットです。
デスクトップ PC にもノート PC にも使えます。BS/CS は受信できないので注意。

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https://www.amazon.co.jp/dp/B09JBTK2TP?tag=tsukumijima-22

BS/CS も見たいのなら、地デジ・BS/CS × 1 チューナーの DTV02A-1T1S-U / DTV03A-1T1S-U という機種もあります。
ただ、1チューナーしかないのに ¥8,000 〜 ¥14,000 台(2023年8月末時点)と、気軽に買い足せるほどチューナー本体が安くありません。また小型とはいえドングル型ではないので、複数接続すると煩雑になりそうです。
BS/CS に2チューナー以上必要なのであれば、素直に PX-W3PE5 や PX-W3U4 を購入された方がよいでしょう。

PX-S1UD(本家)と MyGica S270/VT20(同等品)のどちらを購入されるかはお好みで。
価格が安い上にアンテナや延長用 USB ケーブルなど付属品も付いてきてお得なのは後者ですし、基本は後者をおすすめします。
…とはいえ Amazon のページからして中華的な怪しさ満点なので、どうしても正規品にこだわりたい方は本家を買っても良いでしょう。
ハードそのものは完全に同じで、USB のデバイス名も PX-S1UD のままだったりします(いいのか…?)。
互換品の方はなぜかシンガポールから発送されてきますが、その割に到着までは5日程度と割と早いです。

ドングル型ということもあり、内蔵カードリーダーがそもそも搭載されていません。
そのため、外付けのカードリーダーを別途用意するか SoftCas を使う必要があります。

W録が困らないくらいには録画したいし、同時にリアタイ視聴もしたい

デスクトップPC・自作PC

Amazon.co.jp
https://www.amazon.co.jp/dp/B07MFPVTJY?tag=tsukumijima-22

PX-Q3PE5 または PX-MLT5PE がおすすめです。
どのチューナーが良いかは、どれくらい同時にチューナーを使いたいか(録画したいか)によると思います。

PX-MLT5PE はマルチチューナーなので、地デジ と BS/CS を分け隔てなく使うことができます。つまり、5チューナー全てを地デジに充てることも、BS/CS に充てることも可能です。
BS/CS をよく見る人って正直スカパーを契約しているか BS のアニメを録画している人くらいしかいないでしょうし(偏見)、地デジだけ沢山チューナーが使えればいいのであれば、PX-MLT5PE をおすすめします。

価格相場にもよりますが、一般的に PX-MLT5PE よりも多くのチューナーを搭載している PX-Q3PE5 の方が高いです。さらに PX-Q3PE5 は地デジ×4・BS/CS×4 なので、BS/CS をあまり見ないのであればオーバースペックかもしれません。あとは予算と相談…ってところです。

PX-Q3PE4 よりも PX-MLT5PE の方が動作安定性に課題があるという話もなくもないですが、いずれにせよ所詮 PLEX (Digibest) チューナーなので、PT3 や DD Max M4 のようなド安定性は求めない方が無難です。
とはいえ非公式ドライバ (px4_drv) を使えばかなり安定しますし、もし購入されるのであれば、いずれの機種でも非公式ドライバと併用されることを強くおすすめします。

PX-MLT8PE はあまりおすすめしません。まずスペックがほとんどの人にとって過剰でしょうし、値段もTS抜きチューナーの中では高額な部類になります。
さらに8チューナーを同時に動かすとどこかでドロップするという話もあったり、そもそも8チューナーをフルに使って安定する機種でもなかったりで、コスパが悪いと思います。

ノートPC・ミニPC

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PX-Q3U4 一択です。
地デジだけでよければ MyGica S270/VT20 を必要なチューナー数分だけ買う選択肢もあります。

外付け型のチューナーとしては PX-Q3U4 が最上位の機種です。
今のところ、外付け型のマルチチューナーの機種はありません。PX-W3PE5 の発売後に近く PX-MLT5U?が出るという話もあったのですが、2023年に入ってもいまだに発売されていません…。

BS/CS を全く見ないというのであれば、 MyGica S270/VT20 を必要なチューナー数分だけ買うという選択肢もあります。PX-Q1UD もあるにはありますが、前述の通り環境や個体差次第でかなり不安定になるそうなので、基本おすすめしません。
また、MyGica S270/VT20 はドングル型ゆえか、さほど安定性が高くないことに注意が必要です。

金はあるのでド安定でドロップしないチューナーがほしい

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PT3 、または DD Max M4 がおすすめです。 ただしいずれも価格が高い…。

PT3 は情報が圧倒的に豊富でド安定な(めったにドロップがない)事が約束されていますが、とっくに生産終了となっていることもあり、今となっては新品未開封の在庫となると4万超えは覚悟が必要です。
外観がどうのこうのって製品でもないので中古もありですが、曲がりなりにも発売開始から11年経った中古の PCIe ボードなのにも関わらず2万~3万が相場と、かなりのプレミア価格です(中古なのに定価の2~3倍…)。
私はたまたま格安で譲って頂く事ができましたが、そうでなければとても入手できなかったと思います…。

一方、DD Max M4 は情報こそ PT3 や PLEX チューナーほど多くはないものの、生産が続いている分価格が安定していて PT3 のようにド安定、さらに CATV やスカパー!プレミアムサービスも受信できるマルチチューナーということで、今新品で買うのであれば DD Max M4 の方が良いんじゃないかな…とは思います。
前述したように価格は相当にお高めですが、価格設定がもはや青天井な PT3 よりかは安いですし、さらにマルチチューナーな分、チューナーとしてのスペックも上です。

どちらを買うにせよ、一度買ったらドロップに悩まされない快適な DTV ライフを送れることには間違いありません。 PT3 はプレミア価格ですが、高いだけに見合った価値があると思える方は奮発してでも買った方が後悔がないと思います。私の場合は、ドロップに悩まされないだけで日頃のストレスから解放されました。

PT2 もド安定な事で有名ですが、いくら新品があったとしてもすでに製造されてから12年が経過していますし、実際さすがに経年劣化で壊れてきたケースもあるようなので、今から買うのはおすすめできません。しかも PCI 接続だし…。

外付け型で PT3 や DD Max M4 ほどに安定するチューナーは今のところ残念ながらないので、安定を極めるならば内蔵型が使えるデスクトップ PC を構築した方がよいと思います。そもそも USB 接続な時点で抜けたらおしまいだし…

おわりに

自分にあったTS抜きチューナーは見つかりましたか?
チューナーはめちゃくちゃ高いものではないとはいえ、そこそこ値段が張る上にそう頻繁に買い換えるものでもありません。自分のテレビの視聴スタイルとよく相談した上でじっくり決めてみてください。

この記事はおもにTS抜きに初めてチャレンジされる方向けに書いたものです。
チューナー自体は導入したらほとんど買い換えないものですが、TS抜きに関して何も理解がない状態でのチューナー選びでは、本当に自分のニーズにあったチューナーを選ぶのは難しいでしょう。
そこで、今まで脳内に蓄積してきたたくさんのチューナーに関する知見を私からおすそ分けするようなつもりで書いています。

かなり情報量が多くなってしまいましたが、この記事がみなさんのチューナー選びの参考になったようでしたら幸いです。

References

References
1, 4, 5 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/avi/1648542476/267-288
2 Linux: おもに Web サーバーなどで使われている、無料の OS のこと。Linux にも Ubuntu や Debian など、いろいろ種類がある。
3 カーネルがアップデートできないのはつらいし、環境構築もかなり面倒になる
6 外装の変化に関してはむしろ PX-W3U2 から PX-W3U3 の変化の方が大きい気がする
7 https://diary.hatenablog.jp/entry/2018/03/15/215147
8 http://quuta.atgj.net/gadget/2021041801
9 KTV-FSUSB2N が有名
10 それらのチューナーは後に物理的に改造することで TS 抜きできることが判明し、メーカー側が慌てて対策したりといった事があったのですが、その話はまたどこかで…。
11 公式サイト に記述がある
12 実際、KEIAN チューナーでは物理的改造がやりにくいように対策されたロットが存在する
13 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/avi/1577466040/934-948
14 https://twitter.com/Kurii0421/status/1546502122073559041

コメント

  1. PT3ベタ誉めですが致命的な欠点、PT2に比べてかなり感度が低い
    PT2は共用アンテナで普通に受かってましたがPT3にしたら専用アンテナ/ブースター内蔵
    が必要になりました。
    ところが、PxW3U4にしたら共用アンテナにて余裕で受かる

    つまりPT3は四天王最弱

    • 感度が低めなのは知りませんでした。が、PX-W3U4 は PLEX チューナーなのでドロップしやすく、PT2 は PCI チューナーで新規で入手しづらい事から、私は PT3 の方がメリットがあると思っています。
      受信感度はブースターなり環境を見直せばなんとかなりますが、ドロップはチューナーを変えない限り根本的にはどうにもならないためです。

  2. 貴重な情報をありがとうございます。お伺いしたいのが
    いま普通にpanasonicのDIGAなどに保存してある動画ファイルを
    TH抜きにして書き出し保存したいと思っていますが、
    どの方法でも 音声が5.1ch→2chになってしまうようで、
    5.1chでTS抜きにできる環境が構築できないか?と思ったのですが
    無理なんでしょうかね?

    • 私は市販のレコーダーをそこまで使っていないのでわからないです。5.1ch という事はドルビーデジタルになるので、BD にドルビーデジタルで書き出すことができる機種であればできるかもしれません。
      そもそも 5.1ch 対応の環境が多くないからか、そこまで情報がありません。
      あと、市販のレコーダーから BD 経由でデータをリッピングしても、それが「TS」形式になるかは微妙です。

  3. 初めまして当方トラブルに見舞われ途方に暮れておりますので助力をお願いいたします。

    今までは順調に動いていました当方の録画パソコンがCSのみドロップが多数発生して見るに堪えない状態となっています。

    ソフト環境としまして
    OS Win7 64bit  (インターネットから切り離しています。)
    チューナー PT3
    ソフト tvtest(32bit) + EDCB(32bit)
    を使用しています。

    対策としてBSアンテナから家の中までのケーブルを這わせ直しましたがCSのみドロップする状況は変わりませんでした。
    (tvtestで視聴の際はドロップ等発生せず視聴できます。)

    録画パソコン設置当初はBS、CSのdbが2-3しかなかった為、日本アンテナ CS・BSラインブースター CSB-C25-SP を
    使用して11~12db くらいで時々ドロップが出る程度でしたが現在はほぼ最初から最後まで発生しています。

    色々と調べて
    パソコン以外のコンセントを抜いてみる。
    コードレス電話等の電源を落としてみる等できるだけやってみたのですがどれもダメでした。

    それとも単純にdbが低すぎなのでしょうか?
    アンテナブースターの購入も検討しているのですが視聴時はドロップしないのが引っ掛かり購入に踏み切れません。

    ご助言のほどよろしくお願いいたします。

    • CS とはいえ、さすがに 11dB は低すぎる気がします。
      私もよくは分かっていませんが、BS と CS では受信感度が異なることがあるようです。私の環境だと、BS よりもむしろ CS のほうが受信感度が高い傾向にあります。

      PLEX チューナーならともかくド安定として名高い PT3 ですから、チューナー側の問題というよりかは、単にアンテナから来る電波の受信感度が弱すぎるのが原因のように思います。
      参考までに、私の環境では CS の受信感度は 16dB 〜 20dB 程度です。

      もしアンテナケーブルに古いものをお使いなら、新しいしっかりシールドされた物に取り替えることで受信感度が上がることがあります。
      私の環境でもアンテナケーブルを取り替えるまでは BS が 9.80dB くらいしかなかったのが、16dB 程度まで上がったということがありました。

      受信感度の問題は環境によって様々なため一概には言えないのですが、16dB 程度あれば安定して受信できるようになるのではないかと思います。
      もし受信感度が 16dB 以上あるのにドロップしまくるのだとしたら、それは PT3 側の経年劣化によるものかもしれません。

      • 早速のご返信ありがとうございます。

        ケーブルについてですが
        https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01ND1KIZQ/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o03_s00?ie=UTF8&psc=1
        の5Cケーブルを購入し配線のやり替えを実施しても11~12dbですのでこの場合はアンテナブースターを取り付けたら
        効果があると思われますか?

        ドロップが多数入っている動画はノイズがあるというよりはシーンが飛んで突然違うシーンに切り替わる感じです。

      •  あれからブースターの取り付けを実施してみました。

        結果としてCS・BSともにシグナルは16~17db となり感度はかなり上昇しましたが
        tvtest-0.7.23ではCS・BSともに視聴中ドロップが発生することはありませんが
        EDCB 10.66でEpgDataCap_Bonを立ち上げシグナルは16-17dbあるのにCSのみドロップしてしまいます。

        これはもう買い替えくらいしか策はないでしょうか?

        ただ視聴のみはOKで録画時となるとパソコン側の問題となりますかね・・・。

        • 16〜17dB なのにドロップするのは少々不可解ですが、その前にまずは TVTest と EDCB の最新版を試してみるべきです。
          TVTest 0.7.23 も EDCB 10.66 も10年近く前のバージョンですし、よく「安定している」なんて言われますが、実際には10年も経っていますから、最新版のほうが数々の改善や機能追加が行われています。
          私の記事でビルド済みのものを公開しているのも、折角現在も改良され続けているのに「ビルド済みがない」という理由だけで10年も前のソフトを使い続ける人がいるのは大変惜しい、という持論に基づくものです。
          変更点はありますが、互換性は概ね引き継いでいたはずです。一度新しい EDCB でドロップしないか試してみることをおすすめします。

          • 早速、tsukumi様がビルド済みのものの最新版を使用いたしました。

            結果としてですがCSのドロップは3からそれ以上増えず十分に録画データが視聴可能となりました。

            今回行った方法はビルド済みのtvtest + EDCB ともに最新版で行いまして同時にBonDriver等も
            再度ダウンロードを行いました。

             どうも問題を引き起こしていたのは「PT3Ctrl」だったようです。
            再度ダウンロードした中の「PT3Ctrl」ファイルをドロップが出続けたものと入れ替えたところ
            最新版と同じようにドロップがほぼ出ない状態で録画及び視聴可能となりました。

            この度はお忙しい中いろいろご助言ありがとうございました。
            安定動作していたのでそれでメンテナンスも疎かになっていました。

            当方、故障と思い PT3 をもう一枚購入するという暴挙に出てしまったところです。
            この一枚は勉強料としてサブパソコンに組み込んで不測の事態に備えようかと思います。

          • うまくいったようで何よりです。
            ちなみに、TVTest とは異なり EpgDataCap_Bon ではチューナーオープン直後のドロップカウントが表示上リセットされないため(チューナーオープン直後にドロップするのは仕様のようなもので仕方ないし、どの機種でも発生するため、TVTest ではチューナーを開いて数秒すると D / E / S のカウントがリセットされるようになっている)、チューナーオープン直後のドロップカウントからドロップが増えていなければ問題ない、ということになります。
            たとえば、チューナーオープン直後に Drop:8 だったとして、それから30分間受信しっぱなしで Drop:8 のままならドロップしていない、とすることができます。

  4. S1UD V2.0とS270を同じWindows PCで併用してたことがありますが、不定期にドライバー(非bon)周りで不具合が起きて片側が認識しなくなることがあります。手動でデバイスマネージャーからドライバをインストールし直す必要があるので、かなり面倒でした。なお、ドライバーはそれぞれ専用のものを使用していました。
    PCを変えたりBondriverを変えても必ずこの不具合は起きたので、これからこの2つを一緒に使おうとしてる方はやめたほうがいいです。

    • >>ドライバーはそれぞれ専用のものを使用していました
      記事にもある通り、PX-S1UD と MyGica S270 / VT20 は型番とブランド以外はほとんど同一の製品です。ドライバに関してもほぼ同じで、PX-S1UD のドライバが S270 でも使えたり、その逆もしかりです。
      ほぼ同一のドライバが2つインストールされているわけですし、不具合が出るのも無理もない気がします。
      ドライバを PX-S1UD のものに統一する(S270も PX-S1UD として使う)方が安定するのかもしれません。

      • >>ドライバを PX-S1UD のものに統一する(S270も PX-S1UD として使う)
        過去に自分の環境でそれをやりましたが、ドライバは当たるもののS270で視聴や録画が出来なくなりました。逆も試してみましたが、S1UDでS270のドライバを使うことはできませんでした。
        ネットで調べても同様の症状を報告してる人がいないあたりおま環なんですかねえ…

        • 追記:前者ですが、bondriverを一つからチューナーの数だけ増やしたらEDCBで2番組同時視聴・録画が可能になりました。その後一つに戻しても問題なく動作しました。
          短時間しか試してないですが、何故か直ったのでよしとします。

          • 一般に、2つのチューナーとも BonDriver として同じファイルを使っているのであれば、EDCB の設定で BonDriver のチューナー数をチューナー数分増やす必要があると思います。
            あるいは、BonDriver のファイル自体をコピーして BonDriver_PX-S1UD_T0.dll と BonDriver _PX-S1UD_T1.dll(ファイル名は一例)に分けることでも動作するはずです。
            このどちらかの方法を取ることで、同時録画ができるようになるはずです。
            ただ同時録画をしているときに録画中のチャンネルを視聴したい場合は、EpgDataCap_Bon の TCP 送信機能を使って受信したデータを TVTest に送るか、一度 BonDriverProxyEx を挟む必要があります。

  5. こんばんは、以前使用しておりました
    PX-Q3PE(PX-Q3PE4ではありません)に
    ついては性能の良い非公式ドライバーは
    使えないのでしょうか?
    リストされてないようなので。
    使用を諦めていた品なので非公式ドライバーの
    事を知って改めて使用を考えていますが、
    リストアップされていないところを見ると
    無理なんでしょうか?

    • 残念ながら PX-Q3PE では使えませんね…。
      記事の方にも書いてあるのですが、PX-Q3PE は現在流通している PX-Q3PE4 などとは製造会社自体が異なります。
      PX-Q3PE が製造終了になったのは製造会社だった ASICEN が倒産してしまったからです。製造会社自体が異なる以上チューナーの作りも大幅に異なるため、px4_drv は PX-Q3PE などの ASICEN 製チューナーでは使えません。
      一応、Linux での非公式ドライバとして https://github.com/knight-rider/ptx があったりはします。かなり前に製造終了になっている事もあって使ってみたという報告自体が少ないですが…。

  6. 「PX-W3U3 V2.0」を譲り受けたのですが、こちらの記事をじっくり読みまして「 ASICEN 製最後のチューナー」となっている事が分かりました。また、
     「PX-W3PE4 以降のチューナー」は、「Digibest 社の ODM 製品」となり「PX4系」や「IT35系」と呼ばれていることも分かりました。

     「ASICEN 製チューナー」と「 Digibest 製チューナー」の間に互換性は一切ないことも理解しました。しかも非公式ドライバ (px4_drv) は ASICEN 製チューナーには対応していません。という衝撃事実!!

     これは先人達の知識の結集である「PLEX 製チューナーで非公式ドライバ (px4_drv for WinUSB) 」を使いたくとも「PX-W3U3 V2.0」では使う事ができず、不評な純正のドライバを使うしかないということで間違いないでしょうか…?
     本当は「.iniファイル内の書き換え」などで非公式ドライバが使えるようにしたいのですが、残された方法はありますでしょうか。

    またTVTestについてはコチラでの最新ビルド(TVTest-0.10.0-210812.zip)に適切な「BonDriver に関係するファイル類」を適切に配置すれば、動作が可能になるという事で間違いないでしょうか?

    • >> TVTestについてはコチラでの最新ビルド(TVTest-0.10.0-210812.zip)に適切な「BonDriver に関係するファイル類」を適切に配置すれば、動作が可能になるという事で間違いないでしょうか?
      はい、合っています。内蔵カードリーダーを使うのであれば別途ファイルが要るかもしれませんが、ASICEN 製チューナーに関してはよく知らない…。
      >> 不評な純正のドライバを使うしかないということで間違いないでしょうか…?
      そうなりますが、元々 ASICEN 製チューナーは Digibest 製チューナーよりも品質が良いです。そのため、公式ドライバであってもそれなりに安定することが予想されます。
      せっかく手元にあるのですから、まずは試してみるのが先ではないでしょうか。

      • tsukumiさま
        お忙しい中、ご返信ありがとうございました。
        ご助言の通り、環境を構築していろいろと試してみたいと思います。
        トピックスが見つかれば、こちらにてご報告させていただきます。ありがとうございました。

  7. とても参考になりました。これだけの情報を集めるだけでも大変ですが、全部といわず一部購入でも相当な散財です。
    本当に労力に感謝です。

    PX-MLT8PEを購入して、地上波6ch全録を半年ほどテストしています。
    今回は、Ubuntu 22.04でEPGStationを使って運用しています。
    非公式ドライバで、驚くほど安定しています。
    来週あたり、ブログで結果を報告しますので、何か参考になるかもしれません。
    公開したら、また連絡いたします。

    • 全録ですかー! 安定して運用されているようで何よりです。
      たしかに全録されるのであれば、MLT8PE は地上波/衛星マルチチューナーで8チューナーあるので強力ですね(というより全録する人しか買っていない気が…)。

      • PX-MLT8PEを使った地デジ6ch全録サーバーの情報を公開しました。
        https://www.digital-den.jp/simplelife/archives/7105
        Ubuntu 22.04で、非公式ドライバはとても安定しています。

        • Ubuntu 22.04 ですかー! 安定して稼働できているようで良いですね。
          エンコード時の CPU 使用率ですが、ハードウェアエンコード機能を使うと CPU 使用率を大幅に下げることができます。エンコード速度も上がるのでおすすめです(意外にあまり知られていないのが残念…)。
          i5-10400 など、最近のほとんどの Intel 内蔵 GPU 搭載 CPU には、QSV というハードウェアエンコード機能がついています。FFmpeg の QSV エンコード機能 (h264_qsv) や、QSVEncC の Linux 版 などをお使いになられてはどうでしょうか。

          • 2019年頃までは、qsvはを一生懸命使ってました。
            https://www.digital-den.jp/simplelife/archives/5267
            それが、第8世代Intel Coreあたりから、qsvは使っていません。

            Ubuntu 22.04では、ffmpeg4.4.2がデフォールトになりました。
            特別なことをしなくても、qsvが使えます。
            ちょっと考えてはいますが、crfモードが使えないと、品質がばらついてしまうので。

            6ch全録などを除けば、qsvは必要ないかなと思ってます。
            そもそも全録の場合、変換しない方が無駄が少なくていいという考えです。
            保存するわけではなく、捨てていくので、余計な加工処理は電気の無駄ですから。

          • 確かに全録する場合は電気代も考慮するとエンコードしないという選択肢もありますね。もっとも全て残さずに消す運用ならですが…
            FFmpeg でも QSV は使えますが、QSVEncC の方が細かな互換性やインタレ解除の機能などで上回っている印象です(ちなみに FFmpeg の QSV は Sandy Bridge 世代の iGPU では使えません)。あとは好み次第…

  8. そもそもts抜きチューナーでテレビを視聴録画する際のテレビの受信方法は、 
    ①物理アンテナ設置(八木アンテナ・パラボラアンテナ)②ケーブルテレビ③フレッツテレビ(光回線)のどれがお勧めでしょうか?

    また、天候電波障害等周りの環境によるものを除いて物理アンテナだとts抜きチューナーが利用できないなんて事は無いとは思いますが、
    ②ケーブルテレビ③フレッツテレビ(光回線)だとts抜きチューナーが利用できない等の問題はあるのでしょうか?
    こちらPT3を使っていて、テレビ受信方法をフレッツテレビ(光回線)に変えようと思っているのですがご助言頂けたらと思います。

    最後に、つくみ様はどのテレビ受信方法を利用されているのでしょうか?

    • フレッツテレビは光回線でありながら普通に同軸ケーブルから ISDB-T/S の信号が来ているため多くの場合問題ないでしょう(親戚の家がフレッツテレビですが、STB を買うことなく地上波BSCSが映っていました。
      一方、ケーブルテレビは J:COM の場合は BS がトランスモジュレーション方式で送信されているため、通常のテレビや ISDB-S チューナーでは受信できません。ケーブルテレビの場合は BS がトランスモジュレーション方式で送信されている CATV 会社は基本ダメだと思ってください。
      なお、パススルー方式や、私の家のように地上波は契約してないのに勝手にケーブルテレビ経由にさせられているが、BSは上記の問題があるので独自にマンションで共同アンテナを立てているため受信に問題がなかったりする場合もあります。
      参考になれば幸いです。

  9. ありがとうございます。大変参考になりました。

    フレッツテレビでPT3使っていこうと思います。

  10. 寝室テレビをLED TOKYOさんの NST-50 交換したので録画画質のチェックのためSSDに保存してみました。
    ①X-ploreで録画データが確認できた。
    ②データをnas HDDにコピーできた。
    ③一部の録画データがPCで再生できた。(地デジ・BS無料番組は再生が確認できました。スクランブル放送はダメでした。)
    このような仕様は格安テレビや海外製テレビではあるあるなのでしょうか?

    • 通常のテレビやレコーダーでは、著作権保護のためと称して HDD/SSD に保存されるデータはすべて各メーカー独自の方法で暗号化されているはずです。
      またファイルシステムにも独自のものや XFS など一般的な Windows PC で読み取りづらいファイルシステムが使われることが多いです。
      これらの暗号化されたデータは、通常であれば DTCP-IP に対応した DiXiM などのアプリを用意した上で、DLNA 経由でファイルにアクセスしなければ再生することはできません。
      さらに、データを他のストレージデバイスに移動すると、そのデータは再生できなくなってしまいます。

      …のはずなのですが、コメント頂いた内容を見るに、この NST-50 と言う Android TV は、スクランブルを解除した TS データをそのまま HDD/SSD に保存しているように見えます。
      有料放送が再生できないのは当然として、データをコピーした上で地デジや BS の無料番組が PC で再生できているということは、「TS抜き」できていると見てほぼ間違いありません。
      B-CAS をテレビに同梱するためには上記の厳しい著作権保護(笑)基準をすべて満たす必要があるはずですが、審査が甘かったのか、B-CAS カード同梱にも関わらずTS抜きができる状態にあるようです。

      > このような仕様は格安テレビや海外製テレビではあるあるなのでしょうか?
      少なくとも私はまず聞いたことがありません。DTV03A-4TS-P のように非純正ソフトを使えばTS抜きできるチューナーに正規の B-CAS カードが同梱されていたあたりから近年では審査が緩くなっているのではと感じていましたが、まさか市販製品で何の対策もされずに録画されている機種があるとは思いもしませんでした。
      これが事実であるならばTS抜き界隈にとって大快挙です。もっとも、広まるとファームで対策される可能性もなきにしもあらずですが…
      おそらく LED TOKYO ブランドのこのテレビは実際には中国や台湾のどこかのメーカーの ODM と思われます。要は中国や台湾に製造開発をすべて委託しているわけで、その辺りが杜撰になるのも無理はありません(こちらとしてはラッキー極まりないですが)。

  11. ご返信ありがとうございます。
    検証用に動画送りましたのでよろしかったら見てください。

    ご指摘のようにSSD自体はexFAT形式でフォーマットされていて独自の形式ではないようです。
    視聴できる範囲が狭く実用性は低いですが、正規の手順で出来たデータなのでB-cas関係者の前でどや顔再生可能という意味では意味のあるデータなのかも。

    個人的には対策は難しいのでは?と考えております。
    ①おそらくソフトウェアでのB-cas制御の変更は不可能(出来るのならば逆説的にアプリを開発してテレビ単体でのts抜きの可能性が出てくる)
    ②整合性を考えてexFAT形式でフォーマットは変えられないのでは?
    以上から対策しようと思うと回収・交換しか手はないのでは…?と思ってしまいます。
    ただ、おま環の可能性もあるので、もしNSTシリーズ持っている人がいればぜひ試してください。

    • 動画拝見しました。確かにこれはすごいですね…。X-plore で内部から閲覧できるほどガバガバだとは…。
      視聴できる範囲が狭い、というのがちょっとわからないですが、ここまでガバガバなのもびっくりですね。ついでにTS抜きしたい人にはワンチャンぴったりかもしれません。

  12. 可なり以前から大いに参考にさせて頂いています。
    現状は、WINDOWS11下でPT3、公式ドライバー類で過不足なく運用中です。一つだけ問題が有るとすれば時々起動時に
    画面の一部(右側1/3)が乱れる現象が有ります。ANTレベルの問題かともおもいますが。
    一つご意見を頂きたいです。
    「PX4_drv 当該Bondriverを試す価値は有るでしょうか。」
    この記事を読んでとても気になりメールしました。

    • 返信が遅くなり申し訳ありません。起動時に画面の右側1/3が乱れると言うことですが、基本ドロップした際のベリノイズは横縞として発生するため、縦方向に綺麗に表示されなくなることはまずないはずです。グラボなど表示系の問題の可能性の方が高いような気がします。
      また、px4_drv のドライバは PLEX / Digibest チューナー専用のため、PT3 では使えません。PT3 は公式ドライバーで十分安定していますから、そのままお使いいただくのが良いかと思います。

  13. ご丁寧にご連絡、ありがとうございました。
    このままで、使い続けたいと思います。