【2021年版】おすすめTS抜きチューナーの選び方

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はじめに

TS抜きチューナーの特殊性

既にある程度TS抜きに関して理解されている方が多いとは思いますが、念のため。

TS抜きチューナーは(TS抜きできない)一般的に売られているチューナーとは異なり、買ったらすぐ PC に挿して説明書の通り付属の DVD に入ってるドライバと視聴ソフトのインストーラーを実行すれば見れるようになる、といった類の製品ではありません。

もとより、説明書がありません。インストーラーが入った DVD もありません。ドライバはありますが、各自手動でダウンロードしてきてインストールする必要があります。
メジャーなソフトに関しては私のビルド済みのものを使うことで比較的容易に手に入るようになっているとは思いますが、それでもネットから必要なファイルと情報をかき集めてきて、ini ファイルを編集して、適切なフォルダに配置するだけの知識と技量は必要です。

保証は一応ありますが、初期不良があったら交換してくれるかな程度のもので基本サポートはありません。メーカーに問い合わせても「ドライバ導入から先は教えられない」と言われるだけです。
Amazon のレビューでそういう事を知らずに買ってしまう人が文句つけていたりしますが、TS抜きチューナーは「そういう」製品です。

誰だって最初はTS抜き初心者なのは当たり前でしょう。しかし、あなたがパソコン (PC) 初心者なのなら、TS抜きに手を出すのはやめておいた方が身のためです。zip ファイルや 7z ファイルがどういう種類のファイルなのかや、それらの解凍方法が分からないのであれば確実に向いていません。

私は導入時ある程度 PC の知識は持ち合わせているつもりでしたが、それでも BonDriver などTS抜き特有の用語等の理解にそれなりに時間を要しました。
この記事もそうですが、これからTS抜きを始められる方ができるだけスムーズに環境構築できるよう、数年間頭の中に蓄積された情報をおすそ分けするつもりで書いています。

古いほうが安定している事例

また、TS抜きチューナーは、新しいからといって必ずしも性能が良くなっているとは限りません!!
もし、既に PT3 を持っていて、古くなってきたからと正常に動作するのにも関わらず新しいチューナーを買おうとしているのであれば、やめておいた方が無難です。

以前、PLEX の PX-W3PE REV1.3 という機種がありました。その機種はそれなりに安定していたのですが、マイナーチェンジした後継 PX-W3PE REV2.0 ではチップセットなど基盤の実装が変わった影響で少し不安定になってしまいました(とはいえ、現行機種よりかは遥かに安定しているらしい)。

その数年後に発売されたさらに後継の PX-W3PE4 では、それ以前のチューナーを ODM(Original Design Manufacturing)で製造していた台湾の ASICEN 社が倒産してしまったため、同じく台湾の Digibest 社に ODM 先が変わりました。
…が、正直 Digibest 社のチューナーの品質はあまり良くありません。USB タイプのチューナーと基盤を共通化するためという名目で、PCIe 接続なのにも関わらず実際の受信データの転送が内部 USB 接続になっているあたりお察しです(後述の非公式ドライバを使う場合はこの限りではありませんが、Linux でしか使えません)。

実際、以前 5ch で「 PT3 を売って PX-W3PE4 を買ったけどドロップ多発して安定しないし売った事を後悔している」という趣旨のコメントを見かけました。
スペックとしては PT3 と PX-W3PE4 は内蔵型Wチューナーという点で同じですが、チューナーの品質は PT3 の方が圧倒的に上です( PX-Q3PE4 などの兄弟機種でも同様)。

最近発売された PX-W3PE5 は内部 USB 接続から PCIe 接続に変わっていますが、実際は USB-PCIe の変換チップで PCIe 接続に変換されているだけで設計はほとんど変わっておらず、従来機に比べ顕著に安定しているわけではありません。それどころか Windows 向けの公式ドライバにはなぜかデジタル署名がされておらず、テストモードという特殊なモードにしない限り動作すらしないというひどい状況で、挙句の果てに 5ch では産廃ボードと呼ばれる有様。

…長々と述べてしまいましたが、実際にそういう事例がある以上、既に PT3 や PX-W3PE のような動作が安定している機種をお持ちなのであれば、壊れているとかでもない限りそのまま使い続けた方が無難だと思います。

私は当初 PX-Q3PE4 で運用していましたが、TS抜きを続けていく中でドロップ(後述)が堪えられなくなってきてしまいました。現在は録画に関しては運良く知人から譲っていただいた PT3 で運用し、PX-Q3PE4 は視聴用やサブ機として使っています。

ドロップについて

TS抜きにおける安定/不安定とは、ドロップ (Drop) するかしないか、これに尽きます。

Drop は英語でこぼす、落とすという意味があります。TS抜きでは(受信した放送データのパケットを)取りこぼす、というようなニュアンスで使われているようです。

ドロップとはブロックノイズが入ることです。チューナーの品質が低いとドロップしやすくなります。
特に録画中にドロップしてしまうと録画データにブロックノイズが入ってしまい、ドロップした部分のシーンが見苦しい状態になってしまいます。大量にドロップした場合は画面がブロックノイズだらけで見るに堪えない状態になります。

ドロップでブロックノイズが入る原因は、アンテナケーブルを通してチューナーに入力されている放送の MPEG2-TS のデータパケットのうちの一部を、受信時に取りこぼしてしまう事で発生します。
MPEG2-TS は188 バイトごとに区切られたパケットが延々と連なることで動画ファイルとして見れる状態になっていますが、MPEG2-TS を構成するパケットのうちいくつかが欠けると、当然データが足りなくなるので正常に描画できなくなり、結果的にブロックノイズになってしまいます。これがドロップです。

映像データではなく音声データが欠けることもあります。この場合、音が消えたり変な音になったりします。MPEG2-TS には映像や音声以外にも EPG 番組表などの様々なメタデータがが入っており、それらがドロップすることもありますが、基本的には映像と音声がドロップしていなければ実際にブロックノイズが出るなどの被害は発生しません。
そのため、録画がドロップしてしまったとしても、ドロップしたのがメタデータであれば心配の必要はありません。また、映像や音声がドロップした場合でも、真っ暗や無音のシーンなどいいタイミングでドロップしてくれれば実質問題ないような事もあります。

また、普通のテレビをお持ちの場合は台風が来ている中 BS をつけるとブロックノイズで見るに堪えなかった、という経験があるかもしれません。
特に BS/CS の場合は人工衛星から電波を受信しているという関係上、悪天候だとアンテナで受信する時点で電波が厚い雲に遮られ、受信感度が弱くなったりする事によってドロップすることもあります。

チューナーの品質

一般の BD レコーダー等ではドロップすることはほとんどありませんが、それはチューナーの品質が良いからです。著名なメーカーが威信をかけて作っているだけはあります。
これに対して、TS抜きチューナーはそのグレーさもあって基本的に無保証でサポートや説明書すらもなく、チューナーの品質もあまり良くないものが多いです。チューナーだけ売ってやるから後は煮るなり焼くなりしろ、というスタンスです。

それでも、アースソフトの PT3 という機種はチューナーの品質が非常に良く(=ほとんどドロップしない)、そのため今でも根強い人気があります。発売からもう 9 年近くが経ちながら壊れたという報告が少なく、耐久性も高いです。
しかし「耐久性が高い」という事は、それだけ買い換える需要がないということでもあります。TS抜きはその特殊な性質上一定以上の PC スキルが要求される上、大っぴらに量販店で販売できるものでもなく、ユーザーも全体で見ると限られます。

そのため「PT3 は 2年間以上、販売店にて税込 1万円未満で販売されていました。 2015年秋以降の販売は低調で、ほぼ需要は満たしたと考えております」と、アースソフトは PT3 の生産を終了してしまいました。後継機の販売予定もありません。
お布施として DTV 民が定期的に PT3 を買っていればこういう事にはならなかったのかな、という思いはありますが、今となっては後の祭りです。

現在主に流通しているTS抜きチューナーは主に Digibest 製のもので、設計開発も Digibest が行っています(ODM)。PLEX が販売こそしていますが、実際はドライバを含め Digibest に丸投げしたものをパッケージングして売っているだけのようです。e-better も同様。
その点アースソフトは設計開発を社長の長田恒彰さん自らが行っており、生産も日本国内で行われていたため良い品質を維持できていたように思います。

録画コレクター

ブロックノイズが入っていても問題ない人であればドロップを気にする必要はないでしょう。
しかし、多くの DTVer はブロックノイズが入る事を嫌います。私もそうですが、TS抜きをやっている人は結果的に録画コレクターになりやすく、コレクションの録画データが欠けている事が許せないからです。切手コレクターが傷がある切手を嫌うのと同じ、と言えば理解しやすいでしょうか(切手コレクターではないので本当にそうかは知りません)。

私の結論としては、録画は後で見るためのもので、見終わったら消すタイプの方は気にしなくても大丈夫です。逆に、(私のように)録画はコレクションで、見終わったとしても HDD の容量の許す限り残しておきたいタイプや、完璧主義だったり細かい事が気になってしまうタイプの方はお金を出してでもドロップしにくいチューナーを買った方が後々後悔がありません。

TS抜きチューナーの選び方

タイプで選ぶ

  • マザーボードの PCIe (PCI Express) 端子に接続して使う内蔵型
  • USB 端子に接続して使う外付け型
  • 外付け型の中でも、サイズがコンパクトでドングルになっているドングル型

の 3 つに分類できます。

内蔵型

メーカーを問わず、比較的製品が多めです。アースソフトなど、内蔵型の機種しか発売していないメーカーもあります。PCIe 接続のため安定しているのが特徴です(Digibest チューナーを除く)。
いわゆる緑色のボードのやつです。何かしらグラボつけてる人はおなじみだと思います。

ただし、内蔵型の性質上、ノート PC やラズパイ (Raspberry Pi) では使えません。
厳密には内蔵型にアダプターをつけて外付け化するような猛者もいるので使えなくはありませんが、そういう系の知識がある人でないと難しいと思います。

また、PX-W3PE4 などの内部 USB 型のチューナーの場合、メーカー製デスクトップ PC などでは内部 USB 端子が省略されていることがあるため、一工夫必要になるケースもあるようです。
買う前にお使いの PC に内部 USB 端子があるかどうか確認しておきましょう。

PLEX (Digibest) 製チューナーには B-CAS カードを挿すためのカードリーダーが内蔵されています。ただし、あまり接触がよくなく稀に認識しなくなる(もう一度差し込むと直る)他、Linux 環境では使えないのであまり当てにしないほうがいいと思います。

外付け型

USB 接続のため、ノート PC やラズパイでも使えるのが特徴です。
デスクトップ PC の場合も PCIe スロットが空いていないなどの場合は自動的に外付け型になります。

PLEX (Digibest) 製の現行チューナーは内蔵型も外付け型も内部的には同じ USB 接続なので、内蔵でも外付けでも(外付けだとUSB端子が外れるリスクがある事以外は)さほど変わらないような気もします。

現在販売中の外付け型チューナーは PLEX 製チューナーのみです。PLEX 製の内蔵型チューナー同様にカードリーダーが内蔵されていますが、これも安定するとかしないとか(使った事がないのでわかりませんが)。

また、PX-W3U4 などの白くて大きめのチューナーにはリモコンが付属しています。視聴ソフトである TVTest に専用のプラグインを入れることで動作しますが、PC 側で操作できてしまうこともありあまり使っている人を見かけません(リモコンも Linux 環境では使えないので注意)。

ドングル型

非常にコンパクトで安価(数千円程度)なのが特徴です。同時視聴可能な数は限られますが、ドングル型なので USB ポートとアンテナケーブルが尽きるまで増設できます。

コンパクトなため完璧な安定性を求める方はやめておいた方がよいですが、とにかく安価で手に入れたい方、とりあえずライトにTS抜きを始めてみたい方におすすめです。TS抜きガチ勢は内蔵型の方がいいと思います(言うまでもないでしょうけど)。

とにかくコンパクトなため、同じく小型のラズパイ + Mirakurun + EPGStation で小型録画サーバーを構築される方がよく使っている印象です。
ドングル型のため ODM 先が Digibest ではない別のメーカーになっており、それもあってかそこそこ安定するらしいですが、使ったことがないので実際のところはわかりません。

需要が内蔵型・外付け型に比べると限られるため、機種は事実上 PX-S1UD・MyGica S270(PX-S1UD の互換品)・PX-Q1UD・DTV02(A)-1T-U・DTV02(A)-1T1S-U の 5 チューナーのみになります。

この中で BS/CS が視聴可能なのは DTV02(A)-1T1S-U のみです(地デジも受信できます)。以前は PX-BCUD という BS/CS のみ受信できるドングル型チューナーがあったのですが、PLEX 公式いわく使っていたチップが販売終了となったためやむを得ず生産終了となったとのこと。メルカリやヤフオクで中古を漁るくらいしかありません。

DTV02(A)-1T1S-U は正確にはドングル型ではなく USB ケーブルで接続するタイプですが、寸法がわずか 8cm×8cm と手のひらサイズで他の外付け型チューナーとは毛色が異なるため、ドングル型に含めています。ドングル型のチューナーの中では唯一 Digibest 製です。

メーカーで選ぶ

有名なのはアースソフトと PLEX ですが、他にも何社かあります。
以前はもっとあったのですが、前述した ODM 先メーカーの倒産などがあり、現在の状況に落ち着いています。
ネットの情報が少ないと中々苦労すると思うので、環境構築に自信がなければアースソフトか PLEX の機種をおすすめします。

アースソフト

言わずと知れた「本家」TS抜きチューナーメーカーです。
改造なしでまともに使えるチューナーを発売したのもアースソフトが最初です。TS抜きブームの火付け役的なメーカーです。

PT1・PT2・PT3 の 3 つのチューナーが発売されましたが、PT1 は流通量が少なく時間を明けずに PT2 が出たこともあって、現在流通しているのは PT2 と PT3 になります。

いずれも生産終了となっていますが、他チューナーを寄せ付けないその高い安定性から、今でも根強い人気があります。PT3 は Amazon・ヤフオク・メルカリで中古ですら定価の 2 倍以上で取引されるなど、プレミア価格になってしまっています。

一方の PT2 は PCI 接続(Express が付かない)のため、PC の買い替えで新しいマザーボードに PCI 端子がないなどの理由で手放す人が増えているらしく、中古で 6,000 円前後で取引されています。
発売から 10 年以上経っていること、PCI 接続であることに注意が必要です。

PLEX

内蔵型・外付け型・ドングル型の 3 タイプすべてのチューナーを取り扱っており、機種も多種多様に取り扱っています。アースソフトの PT シリーズが生産終了になったことで、事実上TS抜きチューナーの最大手となっています。

しかし、前述したようにチューナーの多くが Digibest 製のため安定せず、公式ドライバを使う限り比較的頻繁にドロップしてしまいます。
録画専用の PC で運用している場合は 1 週間に数回微ドロップ程度で済みますが、他にブラウジングやゲームなど特に高負荷な作業を行っている状態ではかなりドロップすることもあるようです。
ドロップは録画専用 PC でかつ環境を整えることである程度は抑制することができますが、録画も普段使いも両方同じ PC でやる場合はどうしてもドロップしやすい印象です。

ただし、nns779 氏開発の Linux 向け非公式ドライバ、px4_drv を使う場合はこの限りではありません。もともと PLEX 製品の公式 Linux ドライバがカーネル固定でソースも公開されていないことから開発されていたものですが、現在では公式ドライバよりも遥かに安定していて、ドロップもほとんどないそうです(公式ドライバより出来のいい非公式ドライバって…)。ハード寄りのプログラミングの事はさっぱり分かりませんが、ハードウェアの性能をフルに活かし切れているのだと思います。
残念ながら Windows 向けの非公式ドライバはないため、Digibest 製チューナーをドロップなく運用したいのであれば Linux 環境で px4_drv を使うのが良いと思います。

また、PT3 と比較してチューナーのオープンに時間がかかる傾向にあります(おま環かもしれませんが…)。非公式ドライバを使う場合はこの限りではないらしいです(未検証)。

また、PX-MLT5PE などの MLT 系のチューナーを唯一取り扱っています。
通常のチューナーは地デジ (ISDB-T) と BS/CS (ISDB-S) を受信するデバイスが内部的に別れているため、「地デジ×4・BS/CS×4」のようなスペックになりがちです。BS/CS のチューナーが余っているからといって、地デジに多くチューナーを割り当てることはできません。
MLT 系のチューナーであれば「地デジ・BS/CS×5」のようなスペックになり、BS/CS を使わないときは地デジへ、地デジを使わないときは BS/CS へ、といったように地デジや BS/CS を区別せずに使うことができます。
BS/CS を 4 チャンネルも同時で使うことはほとんどないと思うので、その点「地デジ×4・BS/CS×4」の PX-Q3PE4 よりもコスパは高めです。ただし安定度は PX-Q3PE4 より劣ります。

PLEX チューナーは安定はしないものの、ネットの情報はアースソフトの PT シリーズに次いで多いので導入難易度は低めです。

e-better

宇勝株式会社という他にカー用品とかを扱っているらしい謎の会社が開設しているネットショッピングサイト。e-better は企業名ではないらしい…

DTV02(A)-1T-U を除きすべて PLEX 同様 Digibest の ODM です。e-better だからといって安定するというものではありません。PLEX より知名度がないため情報はあまりありませんが、PLEX が取り扱っていないレパートリーのものを隙間産業的に販売しています。

現在販売中の物で敢えて e-better から買うものとしたら DTV02(A)-1T1S-U くらいでしょうか。DTV02A-4TS-P は PX-MLT5PE のチューナーを 1 つ減らしただけのやつで情報がまるっきりないし、DTV02(A)-1T-U は PX-S1UD と丸かぶりしている上に作りは PX-S1UD の方が良いしで…。

DTV02(A)-1T-U は PX-S1UD などの一般的なチューナーと異なり、TS データへの復調を IC チップではなくソフトウェアで行う珍しいタイプの製品(おそらくコストダウンが目的)のため、px4_drv では対応しないことが明言されています。価格も PX-S1UD の互換品の MyGica S270 の方が安いので、敢えて買う意味はないでしょう。

公式サイトからでも買えますが、Amazon から買う方が早くて若干安いと思います。
(もともとサポートなんてあってないようなものですが)サポートは期待しないほうがいいです。

Digital Devices

ドイツの TV チューナー専門のメーカーです。
PLEX(笑)などとは異なり、基盤設計から製造まで自社で一貫して行っています。

ほとんどのチューナーは DVB というヨーロッパ諸国向けの放送規格向けのものですが、DD Max M4 という機種が日本の地デジ (ISDB-T)・BS/CS (ISDB-S) 、さらに J:COM などのケーブルテレビ向けの ISDB-C (DVB-C) 規格、スカパー!プレミアムサービス (CS124/128°) 向けの DVB-S2 すべてに対応しており、BS4K を除き日本国内で受信できるすべての放送規格に対応していることで 2019 年頃に話題になりました。

この他、日本国内では地上波 (ISDB-T) だけにはなるものの最大 8ch もの同時視聴が可能な DD Max A8i という化け物チューナーも無名ながらあり、一部のヘビーユーザーが使っているようです。

日本国内から買う場合は個人輸入という形になりますが、手続きとしては関税がかかる程度でさほど煩わしいものではないようです。それよりもただでさえ高め(スペックを考えたら妥当ではある)なのに消費税+関税+送料がのしかかってくるので、それなりのお値段は覚悟する必要があります。

アンテナケーブルの端子が PAL のため日本で使用する場合は F 型への変換端子が必要になりますが、Digital Devices からの心遣いか別途注文しなくても付いてくることもあるらしいです(絶対とは限らないので注意)。

TBS

中国深センにある TBS Technologies International Ltd. のこと。TBS(東京放送)とは異なります。
Digibest も MyGica も潰れた ASICEN もチップ製造元の ITE Tech もすべて台湾企業なので、地味にTS抜きチューナーの製造元で中国企業なのはこの TBS だけです。

スカパー!プレミアムサービス (DVB-S2) 用のサテライトチューナーや、J:COM などのケーブルテレビ (CATV) のうちトランスモジュレーション(トラモジ)方式で配信されている DVB-C (ISDB-C) 用のチューナーを販売していることで一部の界隈では有名なメーカーです。なぜか赤い基盤が特徴。

チューナーの品質は Digibest より若干いい程度で、ドロップする事には変わりないようです。それでも DVB-C (ISDB-C) や DVB-S2 に対応したチューナーはあまりないのである程度使われています。
一応地デジ (ISDB-T) を受信可能な機種もありますが、BS/CS (ISDB-S) が受信できる機種は後述の PT4K を除くとありません。情報が少ない上、さほど安定するわけでもないので地デジ受信目的で買うのはおすすめしません。特殊な用途でのみ使われているという印象です。

史上初めて BS4K の放送規格、ISDB-S3 に対応したチューナー、PT4K (TBS6812) を発売したことで一時期話題になりました。ただし、BS4K では ACAS という新しい暗号化チップが利用されており解析も進んでいないため、現時点ではスクランブルのかかっていない QVC やショップチャンネルくらいしか見れません。TVTest も使えないので、実用的ではありません。

もともとスカパー!プレミアムサービスや CATV の受信などやる人が少ないジャンルのチューナーのため、情報があまりありません。
正直 DD Max M4 ですべてカバーできてしまうので、敢えて TBS チューナーを買う理由はない気もします。

識者いわく、パラボラアンテナへの LNB 給電が DD Max M4 だと電圧変換が必要だが TBS の一部機種ではそのまま給電できること、一時期 PLEX が TBS チューナーの ODM をやっていた影響でスカパー!プレミアムサービスや CATV 関連の情報は TBS チューナーの方が多いこと等のメリットもあるそうです。

TS抜きチューナーの一覧

ここからが本題です。
注意点として、私はすべてのチューナーを試したりしているわけではありません。5ch や Twitter などで収集した情報を元に執筆しているので、実際と異なる場合があるかもしれません。

TS抜きチューナー備忘録 さんの方では実際に買われてレビューされているので、そちらも参考にしてみてください(ただし、BonDriver 関連の記述に関してはファイルを適切なファイル名で配置するだけの radi-sh 版の方が遥かに諸々の取り回しが楽なので、個人的には参考にしない方が良いと思います)。

また、Linux 環境で構築される場合は対応チューナーにも注意する必要があります。一部のチューナーには Windows でしか使えないものがあるためです。

TS抜きチューナーは有名でないものも含めるとそこそこの数あるため、この記事では生産終了となっている機種は PT3 など著名なものを除き割愛します。

書き途中です。一部の機種しか書けてません…

凡例

機種ごとに、

  • チューナー(同時視聴録画可能)数
  • 接続タイプ
  • アンテナ端子数
  • 内蔵カードリーダー

のスペックを掲載しています。

この記事での W チューナーは、地デジ×2・BS/CS×2 のチューナーの事を指します。
また、Q チューナーは、地デジ×4・BS/CS×4 のチューナーの事を指します。
マルチチューナーは、地デジと BS/CS のチューナーが同じで分け隔てなく使えるチューナーの事を指します。チューナー数は機種によります。

チューナー数

日本のテレビ放送では地上波で使われる放送方式 (ISDB-T) と BS・110度 CS の衛星放送で使われる放送方式 (ISDB-S) が異なっています。
そのため、チューナーデバイスも地デジと BS/CS で分けられていることが多いです。

たとえば PLEX の PX-Q3PE4 なんかは「8ch同時に視聴・録画できる」と謳われています。しかし、実際は 地デジ×4・BS/CS×4 チューナーになっているため、BS/CS のチューナーを使っていないからといって、地デジを 8 チャンネル同時録画する、といった事はできません。

また、あなたのテレビの視聴スタイルが「見たいものは全て録画して後で見る」というスタイルであれば問題になることは少ないのですが、「録画もするけどリアルタイムでも見たい」という場合はチューナー数が多いチューナーを選んだ方が良いでしょう。基本的にはそれぞれ視聴に 1 チューナー、録画に 1 チューナー使う事になるためです。

PT3 や PX-W3PE4 のような W チューナーの場合は、それだけで地デジ、ないしは BS/CS のチューナー数を使い切ってしまいます。W録したいけど片方の番組だけリアタイしたい時は 3 チューナー必要になり、W チューナーの場合は足りなくなってしまいます。

先程「基本的には」と書いた理由は、たとえば EDCB(予約録画ソフト)の場合は録画中の放送波を TVTest(テレビ視聴ソフト)に送信する機能があり、その機能を使えば 1 チューナーで視聴も録画も同時に行う事ができるためです。これ以外にも、チューナー共有ソフト(BonDriverProxyEx・Spinel)やチューナー管理ソフト(Mirakurun)をうまく使えば、同様に 1 チューナーで視聴も録画も同時に行えるかもしれません。
…が、いずれも少しトリッキーな手順が必要になります。私も試した事がありませんし、設定を誤るとチューナー不足で録画に失敗するなんて事があるかもわかりません。不安なのであれば Q チューナーかマルチチューナー(後述)にしておくのがよいでしょう。

私もそうですが、TS抜きを始めると結構色々な番組を録画したくなるものです。後で W チューナーを買い足すくらいならもう少しチューナー数の多いチューナーの方が良いと思います。

マルチチューナー

マルチチューナーはちょっと特殊で、地上波と BS・110度CS の衛星放送のチューナーが同じデバイスになっています。そのため、地デジと BS/CS の境を意識することなく、チューナー数分同時に視聴録画ができます。

マルチチューナーはその特殊性もあって、機種自体が少なめです。
具体的には、PX-MLT5PE・PX-MLT8PE・DD Max M4 くらいで、いずれも内蔵型のみになります。
DTV02(A)-1T1S-U も一応マルチチューナーですが、チューナー数が少ないのでマルチチューナーにカウントできるかというと微妙…

ほとんどの方は BS を 4 チャンネル同時視聴録画なんかしないでしょうから、たまにしか BS は録画しないけど、地デジは同時にたくさん録画したい、という場合によいでしょう。DD Max M4 を除いて(PLEX の他の機種よりも)あまり安定しないらしいのがたまに瑕ですが。
ほぼ地デジしか見ないのであれば、PX-Q3PE4 よりも PX-MLT5PE の方が安くつきます(地デジ専用の PX-Q1UD もありますが)。

アンテナ端子数

多くのチューナーは地デジ・BS/CS で2系統であることが多いですが、TS抜き黎明期のチューナーである PT2 は 4 系統(チューナーデバイスごとにアンテナ端子が存在する)、DD Max M4 は特殊なチューナーであることから 5 系統だったりと、中にはアンテナ端子数が多いチューナーもあります。

アンテナ端子の数が多いと、アンテナケーブルの取り回しが煩雑になります。分配器等も必要になるため、その分費用もかさみます。

このうち、DD Max M4 に関しては BS/110度CS であれば 1 系統でどうにかする方法もあるにはあるらしいです(ソース)。LNB 給電とかはできなくなるので、共同住宅にお住まいの方限定になるでしょうけど。

内蔵カードリーダー

チューナー自体にカードリーダーを内蔵しているかどうかです。
内蔵カードリーダーがあれば、B-CAS カードを差し込むカードリーダーを別途購入する必要がありません(条件付き・後述)。

基本的に PLEX の機種か、PLEX と同じ Digibest から OEM している e-better の機種にしかありません。アースソフトの PT3 や DD Max M4 などには内蔵カードリーダーはついていません。

しかし、この内蔵カードリーダーがなかなかの曲者で、通常のスマートカードリーダーとしては認識してくれません。BonDriver 側にある内蔵カードリーダー読み取り機能からアクセスするような形になります。内蔵カードリーダーへのアクセスは BonDriver の種類に依存するため、一筋縄ではいきません。また、Linux 環境では内蔵カードリーダー自体が機能しません。

さらに、PLEX の内蔵カードリーダー、特に内蔵型タイプのチューナーのものに置いては、接触が悪くいつの間にか接触不良で認識しなくなることがあります。
私も当初は内蔵カードリーダーで運用していましたが、接触が悪くて何度も PC の蓋を開けて抜き差しを繰り返す羽目になったので、現在では外付けカードリーダーを使っています。

個人的には内蔵カードリーダーを使おうとして苦労するくらいなら、SoftCasを使うか素直に外付けカードリーダーを買った方がいいと思っています。取り回しは面倒になりますが…
また、Linux で構築する場合は前述の通り内蔵カードリーダーは使えないので、外付けカードリーダーは必須になります。libpcsckaiもあるけど

アースソフト

PT3

Amazon | PT3 Rev.A | アースソフト | TVチューナー・キャプチャーボード 通販
PT3 Rev.AがTVチューナー・キャプチャーボードストアでいつでもお買い得。当日お急ぎ便対象商品は、当日お届け可能です。アマゾン配送商品は、通常配送無料(一部除く)。
  • チューナー(同時視聴録画可能)数:地デジ × 2・BS/CS × 2
  • 接続タイプ:PCI Express x1
  • アンテナ端子数:2系統
  • 内蔵カードリーダー:×

TS抜きチューナーの定番です。失敗したくなければ PT3 を買っておけば間違いありません。
ロープロファイル対応で、ちゃんとした PCIe 接続です。PLEX チューナーにありがちな PCIe 接続は電源の供給だけでデータ転送は内部 USB 接続…といった代物ではなく、データ転送も PCIe 接続で行います。

本来は PCIe ボードなのにデータ転送が内部 USB 接続な事自体があり得ないんですが…

知人から譲っていただいたものを持っていますが、同じく持っている PX-Q3PE4 と比較して非常に高品質でドロップもなく、チャンネル切り替えも早く、耐久性も高くて文句無しの一品です。
欠点を敢えて上げるとしたら、W チューナーなのでチューナー数が少なめ(アースソフト製品で Q チューナーはない)ってところくらいでしょうか。

…が、前述したように何年も前に生産終了となっているため、市場価格はプレミア価格です。
PT3 の定価は税別 13,200 円だったそう(ソース) ですが、現在の新品価格は 43,000 円と約 3.3 倍にまで跳ね上がっています。
中古ですら 20,000 円 ~ 30,000 円と定価の約 2 倍前後で取引されており、W チューナーとしてはかなり高めです。

今から PT3 を買うくらいなら 地デジ/BS/CS×4 マルチチューナーの DD Max M4(後述)の方が良い気もします。現物を持っていないのでわからないですが…。

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