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普通なら WSL を使うんですが、諸事情で Windows 側で node やら npm やらを動かす必要がありました。
ただ、開発サーバーを npm run serve
で立ち上げて、Ctrl+C で終了しようとすると、「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」という謎のメッセージが。
色々試行錯誤してどうにか回避できる方法を編み出したので、ご紹介します。
導入方法
上の Gist から npm.ps1
と npx.ps1
をダウンロードし、node.exe
や npm.cmd
があるフォルダに移動します。
Node.js を普通にインストールした場合は C:\Program Files\nodejs
でしょうか。私は C:\Applications\Node.js
にインストールしているので、そこに移動しました。
これはバンドルされている npm をそのまま使う場合の話です。普通のパッケージとしてインストールされた npm は C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\npm
にあるので、もしそこに ps1 スクリプトがなければ配置してください。
これだけで導入は完了です。
PowerShell で npm run serve
を実行した後、Ctrl+C で終了しても「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」が表示されなければ、うまく導入できています。
注意点として、PowerShell でのみ機能します。cmd.exe では機能しません。
そもそも cmd.exe はこれ以上良くなる事はないので、もし未だに cmd.exe を開発に使っているのなら PowerShell への移行を推奨します。
Windows 10 に同梱されている Windows PowerShell (PowerShell 5.1) もこれ以上アップデートされないようなので、私は現在も開発されている PowerShell 7 を使っています。
仕組み
Windows での npm コマンドの実体は、(node.exeのあるフォルダ)\node_modules\npm\bin\npm-cli.js
です。
毎回フルパス打ってたらやってられないので、パスの通っている node.exe
と同じフォルダに、呼び出し用に Linux (UNIX) では npm
(シェルスクリプト)、Windows では npm.cmd
(バッチファイル)が置かれていて、それが実行されます。
実行時に npm
または npm.cmd
が node "(node.exeのあるフォルダ)\node_modules\npm\bin\npm-cli.js"
を実行することで、初めて出力が表示されるような仕組みになっているようです。
cmd.exe のカス仕様
ただし、cmd.exe の積年の仕様でバッチファイルには Ctrl+C で終了しようとすると、バッチの意図に関わらず「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」と訊かれ、Y を入力するかさらに Ctrl+C を入力しないと終了しない問題があります。
世界中の Windows ユーザーがこれに悩まされていますが、中の人いわく「cmd.exe は非常に壊れやすく、互換性の兼ね合いもありどうすることもできない」そう。最悪…。
つまり、npm の中でも npm run serve
などの長時間実行したままにしておいて、終了したければ Ctrl+C を押すような機能では、終了時に必ず「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」と訊かれることになります。
これは cmd.exe の問題なので、npm.cmd
がバッチファイルである以上、残念ながらどうすることもできません。
もう一度 Ctrl+C を押せばいいだけの話ではあるけど、Mac や Linux では一発なのに Windows だと毎回出てくるのが納得いかないし、あまりにも非人道的で人権が剥奪されていると言っても過言ではない。絶許。
同じ仕組みの npx も同様で、たとえば npx vue-cli-service serve
を実行後に Ctrl+C すると同様に残念なことになります。
Python ではパスの通った場所に pip.exe
・youtube-dl.exe
のように Python スクリプトを呼び出すだけの exe ファイルを配置することでこの問題を回避しています。
PowerShell という選択肢
色々調べていると、vue-cli のコマンド (vue
) には vue.cmd
以外にも vue.ps1
(PowerShell スクリプト)が用意されていて、PowerShell で npm
を実行しているならば vue.cmd
の代わりに vue.ps1
が使われるようになっていることが判明。
PowerShell スクリプトなら当然「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」とかいう MS-DOS 時代の遺産は存在しないので、Ctrl+C したらその時点で終了してくれます。
npm の場合、Ctrl+C を押した時点で npm 自体は終了していて、Y を押しても N を押しても結局終了するので何も意味を成していない…。
vue-cli のように、npm や npx にも呼び出し用 .cmd の代わりとなる .ps1 を置いてあげれば、バッチファイルの代わりに PowerShell スクリプトが実行されるので、この問題を回避できるというわけです。
npm.ps1・npx.ps1 も vue-cli.ps1 がベースで、パスを npm と npx のものに書き換えたものになります。
他のコマンドでも「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」を回避する
執筆当時は確実に .ps1 が配置されないパッケージ(コマンド)があったのですが、2021年10月現在では主要なほとんどのライブラリで .ps1 が配置されるようになっています。
これは npm や npx も例外ではなく、npm や npx をアップデートすると、自動で npm.ps1 や npx.ps1 が生成されます。よって、現在この手順を行う必要はないはずです。
もともとこれらのラッパースクリプトは cmd-shim というパッケージによって自動生成されているものですが、なぜ .ps1 が配置されるパッケージとそうでないパッケージがあったのかは謎です。
あとは Node.js 自体に同梱されている(おおよそ npm 自身をインストールするためだけに存在する)npm のラッパースクリプトが .ps1 に対応してくれれば、この問題はなくなると思われます。
npm install -g
でインストールしたコマンドで他にも「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」が表示されてほしくないものがある場合も、同様の手法で回避できます。ここでは ESLint の例で説明します。
vue-cli や webpack-cli のように .cmd だけでなく .ps1 も配置してくれるケースなら問題にはならないのですが、PowerShell だと Windows 標準ではスクリプトの実行が禁止されていたりするため(👈カス)、そのあたりでコケる事を想定してか、あるいは .cmd だけで良いと思っているのか、未だ .cmd だけしか用意されていないものもあります。
この手順はそうしたコマンドでも忌々しい「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」を回避するためのものです。
まず、通常の Node.js の構成であれば npm install -g
でインストールしたパッケージは C:\Users\<UserName>\AppData\Roaming\npm
にあるので、エクスプローラーでそのパスを開きます。
Windows における eslint
コマンドは実際にはこのフォルダ内の eslint.cmd
(バッチファイル)が呼びされているので、eslint.cmd
の代わりに eslint.ps1
が呼びされれれば良いわけです。
次に、 npm.ps1
を eslint.cmd
があるフォルダに eslint.ps1
としてコピーします。
そして、エディタで node_modules/npm/bin/npm-cli.js
の部分を(2箇所あります)node_modules/eslint/bin/eslint.js
のように、ESLint の実体の .js ファイルのパスに置き換えて保存します。
あとは PowerShell 上で eslint
と実行して、実行途中で Ctrl+C で終了しても「バッチ ジョブを終了しますか (Y/N)?」が表示されなければ完了です。
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