Fire HD 10 (2021) を買ったのでレビューと Google Play の導入とか

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https://www.amazon.co.jp/dp/B08F5Z3RK5?tag=tsukumijima-22

2021/06/21 ~ 2021/6/22 まで実施されていたプライムデー。今年の5月 (!!!) に発売された Fire HD 10 の2021年モデル(第11世代)が 9980 円と大幅に安くなっていた。
私のアカウントに貯まっていたアマギフと Amazon ポイントを全て使えば 6500 円になることもあり、思い切って購入した。

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経緯

今年の3月に Clide A10B というドマイナーな型落ちタブレットが 7000 円(送料込みで 8000 円くらい)で投げ売りされていたのを発見し、在庫がリロードするごとに減っていく状況に焦り、思わずポチってしまった。

だが、いざ届いてみたら投げ売りされるに相応しいくらいの激重で、さらに Amazon プライムビデオも Netflix も HD 画質で見られない事が判明し、あまり使いみちがなくなっていた。自作の録画視聴ソフトで寝ながら視聴するために一応使ってはいるが、とにかく動作が重く工夫してなんとか、という状況。

2018年に発売されたモデルのようで、OS は Android 7.1 固定。さらに CPU (SoC) である Rockchip RK3288 は 2014 年生産開始のかなり古いもので、実質7年落ちくらいだった事を買ってから知った。
一応 Android-x86 化した Windows タブレットよりかは使えるとはいえ、全体的に動作が重いし、お世辞にもサクサク動くとは言い難い。

Android には DRM (Widevine) のレベルが存在し、それが L1(ハードウェアレベルで DRM 保護が有効になっている)であれば HD 再生ができるのだが、L3(ソフトウェアのみで DRM 保護が有効になっている)のために SD 画質でしか視聴できなくなっていた。
ブラウザで見るだとか色々試したけど 480p が限界。液晶自体はフル HD なのに…

とはいえ手元にタブレット端末は家族が使ってる iPad mini 以外にはないし、もっとスペックの高いタブレットがほしいな… (iPad は高いし宗教上の理由で不可) と思っていた矢先のプライムデー。買う動機が十分にあった。

レビュー

届いたので早速開封。Amazon のテーマカラー(?)のオレンジを基調とした箱に入っている。
裏には Fire HD のスペックや特徴がずらずら書いてあった。Amazon でのネット販売しかされていないはずなのでここで売り文句書いても意味ないのでは…と思ったのは余計なお世話か。

同梱品

同梱品は以下の通り。

  • タブレット本体(ブラック)
  • 簡単な説明書
  • 注意事項
  • 充電器
  • USB-A to USB-C 充電ケーブル

タブレット本体は以前からのモデルとデザインが一新されたようで、ベゼルが縦横で統一された丸っこいデザインに。背面はプラスチックではあるものの、安っぽさはあまり感じず、ちょっと上品な感じ。

横置きを前提としているためスピーカーが横についているのが地味にありがたい。寝ながら見る使い方だと必然的に横置きになるのだが、iPad や Clide A10B だとスピーカーが左右どちらかについているため、どうしても音量が左右どちらかに偏ってしまう。
同じく横置きが前提のためボタンの配置は少し特殊だが、全体的な意匠はどことなく iPad を意識しているように感じられる。側面が丸っこかったり、液晶周りのコーディングだったり、ボタンの意匠だったり(最近の iPad を知らないのであれだけど)。

あと充電器と充電ケーブルがついているのもありがたいところ。タブレットはスマホ用の充電器や PC の USB 端子からでは充電できないし、家にはまだ Micro-USB のケーブルが多く USB-C のケーブルが余っていなかったので、ちょうど良い。

スペック

まず起動して驚いたのはディスプレイの発色と明るさ(輝度)。以前の Fire HD 10 よりも明るくなっているそうだが、かなり明るく、発色も良い。プライムビデオを見る事を機能のメインの1つにしてるだけはある。
Retina ディスプレイではないが (解像度は1920×1200) 、ディスプレイの品質は iPad mini と比較しても遜色ないと思う。

ただし、結構ディスプレイの映り込みが激しい。私のようにタブレットアームを用いて寝ながら使う場合は画面が暗くなるとどうしても自分の顔が映り込んでしまうため、気になる方は別途反射防止フィルムを貼ったほうがいいと思う。

Clide A10B と並べるとこんな感じ。ディスプレイの輝度の差が一目瞭然(両方とも明るさ最大に設定)。
ディスプレイの大きさは全く同じだが、Fire HD 10 の方がベゼルが狭く、すっきりした印象。

重さ

軽いといえるほどではないが、10 インチタブレットであることを考えると健闘していると思う。こちらも Clide A10B と比較すると全然軽い。

Clide A10B は手のひらに載せるとずっしり来るし、片手だとしっかり持たないと落としそうになるくらいなのだが、Fire HD は片手でも楽に持てるくらいの重量感。比較対象が型落ちタブレットなのがあれだけど…

音質

まがりなりにも激安のタブレットとは思えないほどかなり良く、iPad ほどとはいかないまでも臨場感を感じられる。細部までしっかり表現されたサウンドで、シャリシャリした安っぽい音質の Clide A10B とは比較するほうが失礼なくらい。

さらに Dolby Atmos 採用というのもあってか、明確に音の広がりを感じられる。立体音響?と言えるのかはわからないが、こんな小さいスピーカーから広がりのある音を出せる事に驚き。

バッテリー

値段を考慮すると、想像以上にかなり持つな…という印象。用途的に充電しながら使うことがほとんどなのであれだけど、一般的なスマホと同程度かそれ以上には持ちそうな感じ。

Clide A10B はタブレットだけにバッテリー容量自体は大きいものの、スペックが低くちょっとした操作でもすぐ CPU が 100% フル稼働になってしまうからか、充電しない状態で視聴したりすると結構電池消費が早かった。
その点 Fire HD 10 はそんな事はなく、充電しない状態でも割と長く使えそう。

操作感

事前のベンチマーク比較で3~4倍以上 Fire HD 10 の方が上だったこともあり心配はしていなかったが、様々なアニメーションがぬるぬるでもたつきがなく、激重だった Clide A10B と比較するとあまりにも快適すぎる。特にロック画面からのログインアニメーションがなめらかで感動。

動作に関してはざっと触った感じ、一切ストレスを感じることがなかった。
CPU はオクタコア(8コア)で、メモリは 3GB もある。これが 9980 円で買えたのだからだいぶお得。

さすがにソシャゲはちょっと厳しいだろうし全てにおいてサクサクとは言えないけど、一般的な使い方なら遜色なく使えそうな感じだった。もちろん動画再生も余裕。


しばらく放置していたら自動的にソフトウェアアップデートが始まってしまった。どうやら Fire OS は明示的に許可しなくても自動でアップデートしてくれる(させられる)らしい。

Fire OS 7.3.1.9 へのアップデートが終わったら、Fire HD 10 (2021) の目玉らしいアプリの2画面分割が利用できるようになった。Android スマホですでに導入されているものと概ね同じ機能のようで、何かを見ながら Twitter したりとかができそうな感じ。

気になった点

ロック画面に広告が出る

これは購入時に目にしていたので理解はしていたのだが、実際にはロック画面全体がアプリの広告の壁紙になっているような感じだった。
広告のデザイン自体は煩わしいものではないが、ロックを解除すると強制でロック画面で表示されていた広告のアプリのインストール画面が開く(そしてそれにちょっと待たされる)のがちょっと…という印象。お子様向けアプリをインストールとか言われても…

調べたところ、実はロック画面の広告は標準機能で削除できることが分かった。
設定アプリ → [アプリと通知] → [Amazon アプリ] → [広告] → [ロック画面の広告] をオフにすれば以後表示されなくなる。てっきり広告の表示は安い上の代償だと思っていたので、ハック的なことをしなくても非表示にできたのは意外だった。

Google Play が(デフォルトでは)入っていないし使えない

Fire タブレットには Fire OS という、Android をカスタマイズした独自の OS が搭載されている。
今回購入した Fire HD 10 には Fire OS 7(Android 9 Pie ベース)が搭載されていた。

Android をカスタマイズしているので Android っぽさは十分にあるのだが、アイコンは Amazon のものに差し替えられているし、アニメーションの仕方やコントロール(ラジオボタン・テキストボックス)のデザインなど違う箇所も多々ある。
Android よりも軽量で、同じスペックを搭載した普通の Android よりも軽いんじゃないかという噂も。

ただあくまで Android “ベース” であって Google から認証を受けた Android 端末ではないので、HUAWEI 製端末の件で話題になった GMS(Google Play 開発者サービス)が搭載されていない。GMS は Android 内の Google サービスに関連する様々な部分を牛耳っているので、Google 製のアプリは GMS がなければ基本動作しない。もちろん、Google Play も入っていない。

こんな事を重々承知の上で、もっぱら後で GMS を入れるために買ったようなものなのだが、買ってすぐに Android のように使えるかというと否であるという点は注意かも。
Amazon アプリストアも覗いてみたが、お世辞にもラインナップが整っているとはいえなかった。動画配信サービスは Abema や Hulu などなど一通り網羅されているが、それ以外のアプリはそこまで多くないし、どうやら更新が放置されている場合もあるとかなんとか。

今後 GMS を導入していくので、Amazon アプリストアからインストールするアプリは著名なものにとどめておいたほうがいいかもしれない。

Silk ブラウザがイマイチ

Chrome は Google 製で当然 Fire OS では(デフォルトでは)使えないため、代わりに Chrome をベースにした Silk ブラウザという Chrome をベースとした Amazon 製のブラウザがプリインストールされている。

ただこの Silk ブラウザがイマイチで、まず PWA (Progressive Web Apps) が使えないので Web アプリをローカルアプリのように使うことができないし、 いくつかバグもあるように見受けられた。
例えばパスワードを入力しようとすると保存されたパスワードがキーボードの上に表示されるが、これがキーボードと密着しておらず謎の空白が生まれるよく分からないバグがあったり(フィードバックはしといた)。

PWA に関しては Chrome を入れるだけではだめで、さらにランチャーを Fire OS のデフォルトのものから Nova Launcher などサードパーティーのものに変更する必要があるらしい。

さらに、ベースとしている Chrome のバージョンが2021年6月時点で Chrome 86(2020年10月リリース)と半年以上前のものになっていた。
通常は大して問題にはならないのだが、ベースバージョンが古いことで、自作の録画視聴ソフトのコメント描画が全画面表示だとカクつく問題が再発しており(他の Android では半年くらい前の Chrome のアップデートにより改善されていた)、そこが引っかかった。

Silk ブラウザは AWS(Amazon が運営しているクラウド)の EC2 サーバー上でクラウドレンダリング?する仕組みになっていて表示速度が速いのが売りなようだけど、他のブラウザと比較するとちょっと難があるかな、という印象。
この後他のブラウザを入れて試してみたけど、明確な速度の違いはあまり感じられなかった。

やったこと

キーボードの設定変更

デフォルトで入っている Fire キーボードは Fire OS 独自のもので、使い勝手はまあまあ。開発元はオムロンなので iWnn ベースなんだと思う。
ただし、入力方法がデフォルトだと QWERTY になっていて、ちょっと扱いづらい。寝ながら使うこともあって、私の場合は慣れているフリック入力の方が使いやすかった。

設定 → [表示] → [キーボードタイプ] → [まとめて設定] から、縦画面、横画面ともに「テンキー」に設定すると、全ての入力タイプでスマホのようにテンキーのフリック入力になる。

いろいろ触っているとどうもフロート表示に対応しているようで、私は画像のようにフロート表示にした上で、キーボードのサイズを小さめに指定して使っている。
横画面だとこの横幅が最小限界なのが残念。私は片手でフリック入力することが多いので、もう少し狭められればより打ちやすいのだけど。

Google Play と GMS をインストール

事前の下調べで Fire HD に Google Play はめちゃくちゃ簡単にインストールできることが分かっているので、早速インストールする。というか Google Play がないといろいろ面倒くさいし。

同じ GMS 非搭載の Android でも HUAWEI は Google 側からガッチリ GMS が入れられないようにプロセッサの名前で判定してたりとかなり厳しく制限されているのに、Fire HD は APKMirror から拾ってきた APK を指定の順番でインストールするだけであっさり GMS が入るこの違いはなんなんだ…

Fire HD に Google Play をインストールするのは危険!!!!とかいってるブログが散見されるけれど、うるせ~~~~!!!!知らね~~~!!!!!の気持ちで行く。
自己責任なのは全てにおいて同じだし、APKMirror は APK 配布サイトの中ではかなりの老舗で信頼できる。Amazon が保証する使い方しかしたくないならともかく、そうでないなら絶対やったほうがいいと思う。方法も調べる限りはかなり確立されているし、そうする事によるメリットが圧倒的に大きい。

【詳細解説】超簡単!FireタブレットにGoogle Playをインストールする方法
Fire OS 8・2023年モデル対応。Amazon FireタブレットにGoogle PlayをインストールしてAndroidアプリを使う手順やポイントをご紹介します。

このサイトで詳細に解説されているので、詳しくはそちらを参考のこと。
丁寧に解説されているので、この記事では簡易な説明に留める。

Fire OS 7 の場合は、Silk ブラウザで下記の APK 4つを APKMirror から順番にダウンロード・インストールしていくだけ。最初はインストール時に不明ソースからのアプリのインストールの許可を求められる。一度許可すれば以後は問題ない。
Google Play Services(Google Play 開発者サービス)のみ少しインストールに時間がかかるので注意。

  1. Google Account Manager (Googleアカウントマネージャー)
  2. Google Services Framework (Googleサービスフレームワーク)
  3. Google Play Services (Google Play開発者サービス)
  4. Google Play Store (Google Play ストア)

全部ダウンロードしてからインストールするよりも、一つのアプリをダウンロードできた時点で開いてインストールしていった方が楽だと思う。
全てインストールできたら、Fire HD 10 を再起動する(重要)

再起動すると「Google Play」アプリがあるので、それを開く。参考先のサイトのスクショにあった「Google 設定」アプリは Fire OS のバージョンによるのか、アプリアイコン自体が存在しなかった。
Google Play を開くと Google アカウントのログインを求められるので、画面の指示どおりにログインする。

ログインができたら、Fire HD にデフォルトで入っているプリインアプリが Google Play 側のもので上書きされないように、自動更新を無効化しておく必要がある。すぐにやらないと自動更新されてしまうので、できるだけ速やかにやること。

これが終われば Google Play のインストールは完了。
あっさり普通に動いてしまい、事前に聞いていたとはいえ拍子抜け。

早速 Silk の代替として Chrome と Edge を入れたが、問題なく動作した。
個人的には Chrome よりも Edge をおすすめしたい。Edge は広告をブロックできるし、タブレットの UI にも最適化されていて、ブックマークをサイドカラムから見れたりするのが便利に感じた。

Twitter Lite をインストール

Twitter アプリは Amazon アプリストアにも Google Play にもあるのだが、どちらも横画面タブレットでの操作に最適化されておらず、画像が画面横幅いっぱいに表示されたりしてお世辞にも使いづらい。

そこで、Twitter Lite をインストールした。Twitter Lite は要するに Web 版の Twitter で、その Android 版アプリは単に Web 版 Twitter を埋め込んだだけのもの。Web 版であればタブレットでも横画面なら PC と似たようなマルチカラムで操作できるので、何かと便利。
Twitter Lite の Android アプリは本来一部の国でしかインストールできないのだが、APKPure に APK が落ちていたのでそれを使った。

PWA にも対応しているため本来なら「ホーム画面から追加」でもインストールできるが、前述したように Fire HD のデフォルトランチャーでは PWA やショートカットが使えないようになっているため、敢えてこの方法で行った。

この手順は Clide A10B でもやったのだけど、Clide A10B ではブラウザの操作自体が重く、あまり実用的ではなかった。普通の Twitter アプリの方がネイティブな分高速なのに使いづらいというジレンマ…。
一方 Fire HD 10 はそこそこスペックがあるため、Twitter Lite でも実用レベルには使えた。もっともサクサクとまではいかないようだけど。

まとめ

https://www.amazon.co.jp/dp/B08F5Z3RK5?tag=tsukumijima-22

10インチタブレットとしてはかなり安い上にスペックも通常使用で困らない程度には高く、ディスプレイもスピーカーも品質が高いこともあって、映像視聴用のタブレットとしては最適でコスパも高い。
少なくとも Clide A10B とはハード面、ソフト面の全てにおいて上。まあ元々数年型落ちの業務用タブレットと比較するほうが酷だとは思うけど…

当然 Amazon が作っていることもあって DRM のレベルは L1 で、HD 動画も問題なく視聴できることを確認した( HD で見れなかったらさすがにクレーム入れる)。発色がいいこともあってとても綺麗。
デフォルトでは Google Play は使えないが、上記の通りわずか数分で普通に使えるようになるし、Google Play がインストールできればあとは普通の Android タブレットとほとんど変わらない。

通常価格だと 16000 円だが、プライムデー以外でも年数回あるセールで結構安くなるので、その時に買うのが狙い目。待てるなら…だけど。
もちろん値段相応の部分もあるし iPad 並の品質を求めてはいけないけれど、いい買い物だったと思う。

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